ファンが気の毒みたいにいいながら、別にファンでも何でもない人が叩きやすい相手だから叩いてるのをTwitterで見かけるし、そういう人が相当数いるのは間違いないだろう。だから「ファンがキモい」みたいな話にするのもダメだと思う。ファンとは別にそういう人の問題がある。
男性が苦手な女性が男性と付き合うことになるなんて、別に変な話でもなく、相性がよかったとか、他の男性とはなんか違ったとかそんな話でしかないと思う。
檜山さんがオタクの支持を得るためにキャラをつくっていたみたいな話も、アニメや漫画が好きでコスプレもする陰キャが、異性と恋愛しても何も変ではない。非オタと恋愛・結婚してるオタクは男女問わず存在するし、檜山さんが嘘つきだという根拠なんて、言いがかりレベルでしかない。
西岡さんに対してもそうで、不快な人物だったほうが(檜山さんを含めて)叩きやすいから、不快に見えそうなところをピックアップしてきて、それをかなり強引に解釈していたら、それは本人も反論するだろう。西岡さんがプライベートでどんな人かなんて、テニスファンでも知らないような話ではないだろうか。
漫研内で人気のあった女の子がテニス部の部長が付き合いだしたのを見た関係ないやつが「あいつの漫画好きは漫研の部員にチヤホヤされるためのキャラでしかなかった」とか校内で叫びだしたら、周りの人間はドン引きするだろう。その話を聞いた関係ないおじさんが往来で「あの女はビッチ」とか叫んでいたら、不審者以外の何者でもない。
〈金曜連載〉
写真/檜山沙耶『ブルーモーメント』(2022年)
PROFILE:
ロマン優光(ろまんゆうこう)
ロマンポルシェ。のディレイ担当。「プンクボイ」名義で、ハードコア活動も行っており、『蠅の王、ソドムの市、その他全て』(Less Than TV)が絶賛発売中。代表的な著書として、『日本人の99.9%はバカ』『間違ったサブカルで「マウンティング」してくるすべてのクズどもに』(コアマガジン刊)『音楽家残酷物語』(ひよこ書房刊)などがある。
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