「ガールクラッシュ」をわかりやすく説明すると、女性が惚れる女性像、男性に媚びずに自身を貫くスタイルという感じでしょうか。男性アピールするような衣装やダンスではなく、女性にとってカッコいいパフォーマンスで売っているのが現在のガールズK-POPグループの主流になっているのです。衣装やダンスだけでなく、そういった、男性に媚びずに自身を貫くメッセージが楽曲に込められていることも珍しくありません。
それでいうと、NewJeansは現在のK-POPアイドルの潮流とは少し違っています。ガールクラッシュ全盛以前のK-POPアイドルシーンは、男性のエロ目線を明らかに意識したセクシー系と、もっと露出を抑えた清純系のアイドルグループが多く存在しました。
NewJeansの楽曲は確かに新しさを感じますが、アイドルとしての存在感は明らかにかつての清純系のそれです。ちなみに、韓国国内でNewJeansのMVがロリコンチックではないか、という指摘もあった様子。またプロデューサーがSNSの投稿内容から「少女趣味」と批判されたこともあったといいます。結果、NewJeansは「ガールクラッシュのような女性の主体性アピールにはうんざりだ」というファンもハマるような受け皿として機能しています。その意味ではNewJeansの存在はむしろ旧世代的とも言えるでしょう。
NewJeansは楽曲の新しさを売りにしつつ、若くて可愛い少女を好きな中高年男性が、楽曲を隠れ蓑にしてハマりやすくするように計算し尽くされたアイドルグループなのではないでしょうか。秋元さん系アイドルグループをサゲて、それと比較してNewJeansの魅力やクオリティーを語る言説がありますが、楽曲やらMVやら諸々のクオリティーは別として、清純さに重きを置いた存在感という点では、両者は意外と共通している気すらします。
NewJeansおじさんはNewJeansの楽曲のクオリティーゆえにファンになったわけではなく、楽曲のクオリティーを隠れ蓑にして自身の少女趣味にドンピシャで、推せるアイドルグループ（全員10代で平均年齢は17.4歳）を見つけてしまった、ただそれだけなのではないでしょうか。
文／田崎寿司郎
写真／Instagram、NewJeansのオフィシャルアカウント（@newjeans_official）より
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