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山崎まさよしがライブで歌わなかった原因を推察:ドラァグクイーン・エスムラルダ連載489

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第489回 山崎まさよしがライブで歌わなかった原因を推察

先週の谷村新司さんや財津一郎さんのご逝去に続き、今週はもんたよしのりさんが大動脈解離で、BUCK-TICKのリードボーカル・櫻井敦司さんが脳幹出血で急逝。季節の変わり目は、どうしても心身の調子を崩しやすいし、亡くなる人も少なくないけど、今年は特に訃報が多い気がするわ……。

そんな中、シンガーソングライターの山崎まさよしさんが、10月21日に水戸市民会館グロービスホールで行ったライブが大きな話題に。なんでも山崎さん、冒頭で「歌うってしんどい」「今日は話すライブにしたい」と宣言し、曲間でオチのない長いトークを繰り広げ、2時間半で8曲しか歌わなかったそう。これに対し、客席には白けた空気が流れ、「歌ってー!」と泣き叫ぶ観客や席を立つ観客もいたとのこと。

そんなことになった理由については「事務所との不仲説」「なんらかの病気説」「お酒などのせい説」「単にやる気がなかった説」など諸説あるみたいだけど、アタシとしては「山崎まさよしさん、突然冒険(もしくは実験)したくなった説」を推したいわ。今回のライブは弾き語りライブツアーの一環らしいんだけど、もしかしたら山崎さんの中で、ほぼ同じセトリで全国何か所もまわることに対し、「同じことを繰り返していていいのか」「それで本当にお客さんは満足してくれるのか」「時には違うことにチャレンジしたほうがいいんじゃないのか」という疑問が生まれたんじゃないかしら(知らんけど)。

山崎さんと同列で語るのもナンだけど、アタシにもあるのよ……。リップシンクのショーで同じネタを使い倒したり、昼夜2回公演のライブのときに同じトークをしたりすることに、引け目のようなものを感じてしまうことが……(あまり同じことを繰り返していると、自分自身が飽きてしまうという部分もあるけど)。もしくは山崎さんの中に、「歌もいいけど、もっとお客さんと直接的にコミュニケーションをとりたい」という欲求が芽生えた可能性もあるわね。

とまあ、できるだけ好意的に解釈してみたけど、今回のツアー、座間公演では全17曲を歌い、今度行われる名古屋公演では全18曲ほど歌う予定みたい。複数公演に通うファンにとっては、イレギュラーな公演も面白く感じられるかもしれないし、アタシは今回の件を知って、かえって山崎さんのライブ行ってみたくなったけど、同じツアーで同じお金払って半分以下の曲数しか聴けなかったら、しかも話が長いだけでつまらなかったら、そりゃお客さん怒るわよね……(所属事務所は後日、希望者には代金を返金すると発表し謝罪しているわ)。というわけで、ツアーの残りが無事に終わることを祈っているわ!

 

<水曜日掲載>

写真/山崎まさよし公式ホームページより

PROFILE:
エスムラルダ(えすむらるだ)
1972年生まれ。94年よりドラァグクイーンとしての活動を開始し、各種イベント、メディア等に出演。2002年、東京都の『ヘブンアーティスト』ライセンスを取得。脚本家・ライターとしても活躍している。著書に「同性パートナーシップ証明、はじまりました。」(ポット出版、共著)
twitter:@esmralda001

 

 

 

 

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