人権派格闘技漫画の最高峰『テコンダー朴』を世に送り出した義士・白正男先生が、日本人に正しい歴史認識と人権思想を啓蒙すべく、筆を執っている本連載。『社外取締役 島耕作』が不適切な表現があったとして大炎上した。『テコンダー朴』沖縄編でも描かれているように、沖縄は日帝に昔も今も苦しめられてきた。白先生は人権派義士として島耕作の炎上に何を思うか。
第24回:編集部と作者だけでなく島耕作も社外取締役を辞任して謝罪しろ!
サラリーマンファンタジーの金字塔『島耕作』がまさかの大炎上。講談社の漫画雑誌『モーニング』46号(10月17日発売)に掲載された『社外取締役 島耕作』に、沖縄の反米軍基地運動に関して不適切な表現があったとして物議を醸した。
問題となったのは、沖縄を訪れた島耕作が辺野古の海が見えるゴルフ場のクラブハウスで食事をするシーン。米軍普天間基地(宜野湾市)の名護市辺野古への移設工事について、一緒にゴルフをプレーした沖縄在住の女性が「抗議する側もアルバイトでやっている人がたくさんいますよ」「私も一日いくらの日当で雇われたことがありました」と語る様子が描かれた。
雑誌の発売直後からSNSなどで批判の声が噴出し、講談社は10月21日、公式サイトで『モーニング』編集部と作者の弘兼憲史氏の連名で「お詫びとお知らせ」を発表。「本作執筆にあたり作者・担当編集者が沖縄へ赴き、ストーリー制作上必要な観光業を中心とした取材活動をいたしました。その過程で、『新基地建設反対派のアルバイトがある』という話を複数の県民の方から聞き作品に反映させました」と経緯を説明。「しかし、あくまでこれは当事者からは確認の取れていない伝聞でした。にもかかわらず断定的な描写で描いたこと、登場キャラクターのセリフとして言わせたこと、編集部としてそれをそのまま掲載したことは、フィクション作品とはいえ軽率な判断だったと言わざるを得ません」と謝罪した。
沖縄人と韓国人は同じ日帝被害者
沖縄米軍基地への反対運動を行っている人権派団体「のりこえねっと」共同代表の辛淑玉氏は、2016年の講演で「私は一生懸命(活動費を)稼ぎます。なぜならもう体力がない。若い人には死んでもらう。爺さん婆さんたちは嫌がらせをして捕まってください」と檄を飛ばした。