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KANが残した知られざる名曲の数々:ドラァグクイーン・エスムラルダ連載493

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第493回  KANが残した知られざる名曲の数々

普段、あまり訃報に心を動かされることがないアタシ。というのも、割と「死後の世界」の存在を信じていて、「誰かが亡くなって悲しいと思うのは、あくまでも残された人間の感情。亡くなった本人はいろんなしがらみから解放されて、ホッとしているのかもしれない」と思うから。なので、身近な人でも著名人でも、訃報を聞いたときは、一抹の寂しさは感じても、亡くなった方に対しては「お疲れ様でした」と思うようにしているの。

そんなアタシが珍しく動揺したのが、KANさんの訃報。もちろん、「お疲れさまでした」という気持ちに変わりはないけど、めちゃくちゃ寂しさと後悔を感じてしまったのよ。

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アタシが初めてKANさんを知ったのは、高校生の頃だったわ。毎週、同級生の誰かが買ってきていた『週刊ビッグコミックスピリッツ』(小学館)に掲載されていた『ツルモク独身寮』(窪之内英策作)という漫画に、KANさんの名曲『東京ライフ』の歌詞が出てきたのよ。切なく繊細な歌詞に心惹かれたアタシは、早速『東京ライフ』が入っているアルバム『HAPPY TITLE -幸福選手権-』を聴き、どハマり。さらに数か月後、今井美樹さんのアルバム『retour』に収録されていた、KANさん作曲の『新しい街で』を聴いて、メロディのあまりの美しさに感動し、完全に虜になったわ。

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