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アイドルオタクが通りすがりに見たトー横と大久保公園:ロマン優光連載271

連載
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雨を避けようと近くにある東京都健康プラザハイジア(以下ハイジアと略す)という大きなビルの屋根のあるスペースに避難したところ、色んな人が雨宿りにやってくる。その中には、おそらくトー横キッズであろう、若いというか幼い雰囲気の子たちも数多くいたのだが、崩れた雰囲気の大人の男性たちがその中に混ざっていて、下卑た笑いを浮かべながら、男の子に偉そうにしたり、女の子にじゃれついたりしていて、友人と「あれはろくでもない。キモすぎる」と言いあったのをおぼえている。

あの時ハイジアで見た光景。「居場所」のない子供たちを喰い物にしようとしている味方ぶった大人の姿が可視化された様子。それが、以来トー横界隈のイメージになっている。

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あの時期に私が推していた地下アイドルはネカフェに住みながらバニーガールとして働き、自分の属するグループの楽曲製作をしながら大学の卒論に取り組み、その上で地下アイドルをやっていた盛りだくさんすぎて漫画みたいな人だった。反出生主義者だった彼女だが、アイドル引退後もなんだかんだで元気でやっているようだ。彼女の繊細かつ大胆で臆病で逞しく破滅的で呑気な佇まいは、私の中でハイジアで見た悲惨な光景と対照的なものとして記憶されている。

ハイジアの脇の道を大久保方面に進むと職安通りにブチ当たり、そこに新宿サムライという地下アイドルがよく出演しているライブハウスがある。そして、ハイジアからサムライまでの道中にあるのが大久保公園だ。

ハイジア~大久保公園の辺りはコロナ禍前は主に外国人の立ちんぼのテリトリーだった。それがコロナ禍の中、「コロナ禍によって経済的な危機に陥った日本人の若い女の子があの辺で立ちんぼを始めるケースが増えて、外国人娼婦があの辺りからいなくなった」という記事を読んだり、人から日本人の若い子が立ってたという話を聞くようになり、「そうなんだ」ぐらいに思っていた。

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