296回 なかやまきんに君と本源セミナー
「お笑い芸人のなかやまきんに君が“本源セミナー”なる謎のセミナーに通っている」という記事がこの2ヶ月ほどの間に『週刊ポスト』と『週刊文春』にそれぞれ掲載されている。
ポストの5月の記事ではセミナーの内容のエキセントリックさに焦点があてられていたが、今週の文春ではこのセミナーによって人間関係が破壊されるような被害が伝えられていて、記事の内容に深刻さが増している。
世の悪いことは妖怪が引き起こしており、その妖怪を退治できるのはセミナーの主催者のみ。
具体的な妖怪の例として、
・サントリーの商品
・ハーゲンダッツ
・妖怪ウォッチ
・ポケモン
・鬼滅の刃
・ゲゲゲの鬼太郎
・烏龍茶など「龍」の字のつくもの全般
があげられており、セミナーではそれらの商品を持っていた人にそれを踏みつけさせるようなことがされている。
また、自分を苦しめている「妖怪」の名を紙に書き、それを破って踏みつけるという妖怪ビリビリという儀式が推奨されている。
「妖怪」という言葉が使われている奇妙さ、「妖怪」とみなす基準の意味のわからなさ・バカバカしさ。きんに君のイメージから面白案件として捉えている人もいるが、面白がっていいものではない。
例えば、セミナーの教えを否定する人間は「妖怪人間」であり絶縁するべきという教え。「妖怪人間ベム」が頭に浮かんでしまい笑ってしまう人も多いと思うが、ターゲットを孤立化させるための典型的なカルトの手法であり、しっかりとやることやっているのである。
本源セミナーの場合、有名人であるきんに君が通いだしたことで週刊誌の記事に取り上げられたわけだが、こういったカルト宗教的な手法を取り入れた小規模なセミナー団体というのは無数にあるのだろう。目立たないように、受講者一人あたりのあがり数十万円をめざして手堅くやっている感じが余計にいやである。
記事から受ける印象では、きんに君は広告塔になっているとかそういうわけではなく、単にセミナーに通っているだけのようだ。そうだと信じたい。本格的に被害者になる前に、きんに君には一刻もはやくセミナーとの関係を切ってほしいものである。観れなくなると寂しいので。