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女性に性的搾取されている人々

社会
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自社の従業員が性的な目で見られているにも関わらず、それに便乗して写真集やグッズを発売する佐川急便も、搾取の片棒を担いでいるのと同様。しまいには、「佐川はイケメンしか採用しない」との噂まで流れる始末。

昨今、フェミニスト女性らが訴えるルッキズムの弊害を、まさしく女性たちが作り上げている格好だ。フェミニストを標榜する作家の北原みのりが「(佐川男子の)男の汗臭さをぷんぷんさせ、過酷な労働環境にも耐え抜く精神力と強靭な肉体を兼ね備えた男たちに『エロい!』と最初に声をあげたのは、私です」と主張しているのも、実に興味深い。

メガネ男子、ぽっちゃり男子、化粧男子、執事系男子…。タイプによって分類された男性を、女性たちが「○○男子」と呼ぶとき、そこには外見や行動面だけでなく、性的な要素も込められている。「○○男子」には、世の男性すべてを性的対象に変換する機能がある。

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下半身への関心が露骨に表れているのが「童貞男子」。そもそも、男性限定で用いる「童貞」に「男子」を重ねるという頭の悪さは置いといて、セックス経験のない男性に狙いを定め、「かわいい」「教えてあげたい」「自分色に染めて、飼い慣らしたい」と愛でる女性たちは、「処女厨」「デフロランティズム」などの異常性愛者となんら変わりがない。

当人が抱くコンプレックスやハラスメント的な危うさなどそっちのけで、性欲と征服欲を充足させてご満悦の妄想女子。「童貞男子と付き合うメリット」と題した記事を掲載しているのが、人気ファッション誌の『CanCam』である点からも、現代の女性が無遠慮に性的搾取をしているのが分かる。男性ファッション誌が「やっぱり処女が一番!」なんて特集を組もうものなら、どれだけのバッシングが巻き起こるか。

女性誌のエロ本化という意味では、「SEX特集」が毎度バカ売れする『anan』が先達。かつては、女性モデルを表紙に起用することが多かった同誌だが、近年ではイケメンタレントがほとんどを占めている。しかも、大胆に胸をはだけたカットが異常に多い。女性読者の下半身を刺激する戦略がスケスケだ。

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童貞同様、センシティブな側面は無視され、部外者である女性たちの妄想によって性処理の道具扱いされているのが、ゲイ(ホモセクシャル)およびBLカルチャーだ。

ゲイ作品を好む「腐女子」は古くから存在したが、当事者への気遣いもあってか、あくまでも日陰者として趣味を嗜んでいた。しかし、2016年のヒットドラマ『おっさんずラブ』をはじめ、近年ではゲイという性がよりカジュアルに消費されるように。演技力や作品性、リアリティーなどは微塵も求められず、ただ「エロい」か「妄想が捗る」かだけで起用され、あまつさえ「巨根じゃだめですか?」などという下品な台詞を言わされる俳優が不憫でならない。

かの赤塚不二夫の名作、子供向けアニメの金字塔『おそ松くん』の未来譚でさえ強引に「カップル」を作り、18禁のBL世界にハメ込んでしまうのだから、女性たちの妄想力と当事者へのリスペクトのなさには呆れるばかり。

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