と思ったのですが、ここではたと気がつきました。メンエスを開業する場所を決めていませんでした。不覚です。ここは重要なので冷静に考えてみましょう。
やはり人の多いところがいいので、山手線の駅がベストかと。理想を言えば恵比寿とか、いかにもきれいでかわいい女子がいそうな駅がいいでしょう。金持ちもたくさん住んでいそうなので、客単価2万円くらいのメンエスというセレブな遊びに金を惜しまない奇特な人も多いに違いありません。
もはや恵比寿で決まりかと思ったのですが、実は恵比寿には大きな問題があるのです。それはべらぼうに家賃が高いことです。毎年、住みたい街ランキングの上位常連の恵比寿の平均家賃はワンルームでなんと12万円! 新宿駅ですら9万4000円なのですから、とんでもなく高いことは間違いありません。しかもメンエスの部屋といえば、駅チカ&築浅でオートロックのついた小綺麗なマンションと相場が決まっています。恵比寿でそんな部屋を借りたら15万円は下らないでしょう。完全に予算オーバーです。
そこで次の候補として思いついた駅が目白です。
目白駅って学習院大学があることもあって、なんとなくハイソな雰囲気ですよね。目白のメンエスなら清楚な女子大生がいると勘違いしてやってくる単純バカがいるに違いありません。それに僕の仕事場の新宿から山手線でたったの3駅、うまくすれば15分程度です。開店準備やオープン後のことを考えても近いにこしたことはないはず。もはや目白で間違いないでしょう。ワンルームの家賃相場も7万9000円と恵比寿に比べたらお手頃です。しかもメンエスの情報サイトの「メンズエステナビ」によると目白にあるメンエスはまさかのゼロ軒。もはや一人勝ち間違いなしです。
しかし万全を期して、コンサルのN氏に、場所は目白で大丈夫かを確認しましょう。まぁダメなはずないですけど。
「目白ですか…。正直、言ってオススメしませんね」と開口一番、N氏。
え? 目白のどこがダメだというんですか? 意味がわからないんですけど!
「そもそも今は山手線とか都心での新規開業は厳しいです。特に恵比寿や池袋といった超激戦区の近くは副業レベルの規模では勝負になりません。それに池袋や新宿など繁華街の店はギリギリの過激サービス合戦になっているので、健全店では通用しませんよ。まぁリスクをとってもやりたいというなら止めませんが」(N氏)
いやいやいや、待ってくださいよ。誰も繁華街でやろうなんて言ってないじゃないですか? だって目白ですよ。明らかに住宅街じゃないですか?
「残念ですが、目白はほぼ池袋と考えてください。池袋にある200店のメンエスがライバルです。つまりヌキとか過激なサービスが要求されるってことなんです。風営法違反で逮捕されたいですか?」(N氏)