20代、30代で仕事を頑張っていると、40代になって会社で権限や発言力がいつの間にか大きくなっていることがある。
そうなってくると、20代の若い社員が必死に考えて提案してきた企画の是非について、どうしても短時間で判断を迫られる場面なんかが出てくる。
その時に僕の説明に納得してもらえれば問題はないけれど、場合によっては若い人から見ると自分の企画を理解しない老害だと認識される可能性が出てくるのだ。
ただ、これは相手に感謝する気持ちを持っているかどうかの問題なのかもしれない。若い後輩に対して「企画書を出してくれてありがとう」という気持ちで接していれば、誠実に対応できるはずだからだ。
鈴木さんは放送作家からの引退を表明したけれど、1つの仕事を続けていく場合、自分がいつの間にか誰かの老害になっているかもしれないという危惧を持ち続けていくことは必要なんだろうな。
二郎系に感謝
今年の2月から箕輪家で出しているラーメン二郎インスパイア系メニューの「まるじろう」が空前の大ヒットとなっていて、1日あたりで家系メニューの4倍くらい売り上げている。
自分でも思ってもいなかった大ヒットになっている。なぜ人気なのかを調べてみると、これまで二郎系に行ってみたかったがなんとなく近寄りがたくて行けなかった女性たちが箕輪家ならば行きやすいと、たくさん来てくれているからだという。
男性客がメインのラーメン店にとってはメチャメチャありがたい話なんだけれど、実はラーメンに関わらず、これまでオジサンだけが独り占めしていたビジネスが女性に対して開放される流れがあらゆる分野で起きつつある。
箕輪家がはじめた二郎インスパイア系メニューもその1つだし、女性が利用できるサウナや「東京秘密基地」に代表される女性用風俗もそうだろう。欲望自体は男女関係なくあるわけだから、男女同権の時代に開放されないほうがおかしい。
オジサンたちが独占していて女性が利用しにくかったものは何かを考えていけば、新しいビジネスチャンスがたくさんあるのかもしれない。
初出/実話BUNKAタブー2024年5月号
PROFILE:
箕輪厚介(みのわ・こうすけ)
1985年東京都生まれ、早稲田大学卒。2010年双葉社に入社。広告営業などに携わった後、編集部へ。『たった一人の熱狂』見城徹/『逆転の仕事論』堀江貴文などを手がける。2015年幻冬舎に入社、書籍レーベル「NewsPicksBook」を立ち上げ、編集長に就任。『多動力』堀江貴文、『日本再興戦略』落合陽一、2019年に一番売れたビジネス書『メモの魔力』前田裕二など次々とベストセラーを手がける。自著『死ぬこと以外かすり傷』は14万部を突破。クラウドファンディングにて1000万円を集め、雑誌『サウナランド』創刊。様々なブランドとコラボレーションをおこなったり、各地でサウナランドフェスを開催。2021年のSaunner of the Yearを受賞。