『女性自身』Webに掲載された「小山田圭吾「五輪に乗り気じゃなかった」事務所社長語る辞任の“言い訳”」(21年07月27日)という記事中のスリー・ディー(株)の社長・岡氏のインタビューに、
――小山田さんは被害者に謝罪すると発表していますが?
「すでにお詫びしました。とりあえず(被害者に)小山田の反省を伝えています。ただ詳しいことは申し上げることができません」
とある。この内容が事実であれば、小山田サイドは被害者(「沢田」「村田」の2人、もしくはどちらか)の連絡先はわかっているということになる。それならば、中原氏もそれを知ることができるはずではある。
しかし「詳しいことは申し上げることができません」とあるが、その理由が被害者の意向によるものであるとしたら、被害者側がこの件について関わり合いになりたくない、そっとしておいてほしいと思っているのなら、中原氏に連絡先が伝えられなくても不思議ではない。被害者が二次加害を恐れて出てきたくないと思うのは自然なことだし、特にこういうオリンピックなどという大きなものとかかわっているとしたら当然だ。ただ、これは記事の内容が事実であるとするならば、という条件での仮定にすぎないが。
気になるところ
ただ、気になったところもある。
修学旅行の部屋で「村田」を含むみんなでプロレスごっこをしていたところに留年した先輩である「渋カジ」がやってきて「村田」に暴行、自慰の強要などを行った。小山田氏を含む他の生徒は怖くて「渋カジ」の暴挙に何も言えなかった。
これが『クイック・ジャパン』の記事中で語られていることだが、現場に居合わせた同級生二人の証言(2人は暴行については証言しているが、自慰強要の記憶はないとしている。40年ほど前のことを聞かれている現在初老の2人と、10年ほど前の記憶を語る20代の小山田氏の記憶の鮮明度の違いとか、「村田」に関する関心度の違いなのか)ではプロレスごっこはいじめではなかったとされている。しかし、『クイック・ジャパン』の記事中では小山田氏は「ま、いじめてるんだけど(笑)」(『クイック・ジャパン』第3号 P63)と語っている。これが、二人と当時の小山田氏の見解の相違なのか、氏が『いじめ紀行』という記事の趣旨にそってあえて「いじめ」というふうにしたのか。