この映画の梶さんと健さんは会った瞬間からもしかしたら、そして二度三度と会ううちに離れられなくなっていた。
そんなことが人間にはあるのだ。
それはそれぞれが複雑だから。
複雑だから相性がいいということは奇跡に近い。
健さんの店を訪れた瞬間の安藤さんにもそれはある。
なにも恋愛感情に限る話ではないのだ。
石井輝男という監督は実はそうした複雑なものが惹かれ合う、出会う描写が素晴らしい。言葉や文化の異なる海外でも人気が高いのはその性質に拠ると思っている。
「石井輝男生誕百年記念企画・地獄の釜の蓋が開く」は来週9/2大阪宗右衛門町ロフトウエスト。松山から車を運転して行くつもりだが台風の影響が続いていれば四国から本州に渡ることができない。どうなるだろう。この項、終わります。
※前回までの記事は以下。
「『現代任侠史』その1」「『現代任侠史』その2」
「『現代任侠史』その3」「『現代任侠史』その4」
『現代任侠史』(1973年・東映京都)
出演/高倉健、梶芽衣子、笑福亭仁鶴、北村英三、青木卓司、田中邦衛、南利明、郷鍈治、成田三樹夫、中村英子、夏八木勲、沢彰謙、有川正治、北沢彪、川谷拓三、阿波地大輔、舟橋竜次、堀正夫、成瀬正孝、鈴木康弘、岩尾正隆、野口貴史、宮城幸生、島田秀雄、北川俊夫、友金敏郎、矢部義章、西山清孝、鳥巣哲生、森源太郎、木谷邦臣、土橋勇、高並功、福本清三、東竜子、丸平峰子、林三恵、笹木俊志、唐沢民賢、三益愛子、今井健二、内田朝雄、林彰太郎、小池朝雄、辰己柳太郎、安藤昇
企画/橋本慶一、日下部五朗、佐藤雅夫
脚本/橋本忍
撮影/古谷伸
照明/増田悦章
録音/溝口正義
美術/鈴木孝俊
助監督/皆川隆之
進行主任/俵坂孝宏
編集/宮本信太郎
擬斗/上野隆三
アームス・テクニカル・アドバイザー/トビー・門口、トビー・村添
音楽/木下忠司
監督/石井輝男
企画/橋本慶一、日下部五朗、佐藤雅夫
脚本/橋本忍
撮影/古谷伸
照明/増田悦章
録音/溝口正義
美術/鈴木孝俊
助監督/皆川隆之
進行主任/俵坂孝宏
編集/宮本信太郎
擬斗/上野隆三
アームス・テクニカル・アドバイザー/トビー・門口、トビー・村添
音楽/木下忠司
監督/石井輝男
<隔週金曜日掲載>
画像/『現代任侠史』DVDパッケージ
PROFILE:
杉作J太郎(すぎさく・じぇいたろう)
漫画家。愛媛県松山市出身。自身が局長を務める(男の墓場改め)狼の墓場プロダクション発行のメルマガ、現代芸術マガジンは週2回更新中。著書に『応答せよ巨大ロボット、ジェノバ』『杉作J太郎が考えたこと』など。
twitter:@OTOKONOHAKABA