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『はじめの一歩』の作者、炎上:ロマン優光連載313

連載
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ここがヘンだよ森川ジョージ

森川氏の漫画単行本の表紙問題に対する解釈が根本的におかしいとかということは別にない。表紙絵に関して報酬が発生するようになるのがのぞましいが、そのために契約でガチガチに縛ると作家としての自由度(著作隣接権の問題から原稿を落とす話まで色々含まれている)が損なわれる可能性があるという意見は、別に変ではない。それが、なぜ炎上したかにはいくつかの理由があるだろう。

ヴァージニア二等兵氏の件を把握できてなく、ずれた話をしてしまっていたこと。そのため見る側に誤解が生じ、「勝手に描いた」という表現がヴァージニア二等兵氏の件をくさしているようにとらえる人や、漫画家全体に対するもののようにとらえる人がでてきてしまったこと。ずれているといえば、前述のスペースでも本題と関係ない話をすぐにしだして話が進まない局面が多く、Xにもそのような傾向はあると思う。

また、「勝手に描いた」(ヴァージニア二等兵氏の件がなくても不適切だと思う。また自主的に描いたのに原稿料がないことに不満を漏らしている例がそもそも見受けられず、そのような極端で常識的に考えてあり得ないものを例示しても意味がない気がする)をはじめ、言葉の選択が適切ではなく反感を持つ人が多かったこと。基本的に距離感のない、圧の強いコミュニケーションをX上で取るかたであると思う。引用RPで長文を書くことも、相手に対する配慮がないように見えてしまう。普通はあんなのやられたら、嫌だと思う。引用RPした際もヴァージニア二等兵氏の悩んでいた問題とは直接関係のない話をしていたわけで、あの内容なら引用RPでする必要性がないのではないか。もし、ヴァージニア二等兵氏と接触をもつなら、「そんなことはありません。相談してみてください」とリプを飛ばすくらいでいいのではないだろうか。大童に対しても引用でやる必然性はなく、みんなに見てほしかったのだろうが、自己顕示の強さを感じる人もいただろう。

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森川氏の認識では、単行本の表紙絵・オマケページ・紙カバーを外したところの隠し絵等は読者サービスのために作家が自主的に描くものである。だから描く必要はないし、編集サイドから頼まれても断っていいものである。しかし、編集者に要請され内容的にも細かく注文がつけられるケース、立場の弱い新人や売れっ子でない作家では断った際に起こる不利益を考えれば断ることができないということが現実にはある。そこの認識がないように思える。一般には販促のために描き下ろしの表紙絵をつけており、それを断ることができない立場の作家の問題について考えるべきだろう。表紙絵なしで白い表紙の単行本が実際に出ているが売れているという話をしていたが、その作品は以前から人気のあった作品だ。だからこそ表紙絵なしで出版することができたという側面を考慮せず、そのような例外を持ち出すのは論点がずれている。

森川氏は、漫画家は個人事業主であり、いろんな問題に対して個別交渉するべきであるという持論なのだと思うのだが、今回も自己の見解を伝えるだけで、漫画家協会常務理事としての立場からの視点が感じられる発言がないと思われたのも大きいだろう。

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