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『はじめの一歩』の作者、炎上:ロマン優光連載313

連載
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漫画家協会はそもそも労働組合ではありません。

個人の交渉代理会社でもありません。

漫画家全体の権利、利益を守るための行動や活動はします。

会員の方は問題と思ったことはドシドシ協会へ伝えて下さい。

理事会で取り上げられ承認されたら行動という流れになります。

自分はそういう認識です。

と言っていたが、漫画業界で起きて問題を把握したのなら、自分が漫画家協会に理事として問題提起をしてもいいのではないかとも思う。個人として色々尽力されているのは理解できるのだが、理事としての立場からはどうなのだろう。

大作家だから出版社に色々言えるのだという意見に対して、自分はデビューしたての10代の頃から言っていたと反論しているが、これが事実だとしても、性格的に言えない人もいるだろうし、いじめ被害者に「いじめっ子をぶっとばしてやればいい。俺はそうしてきた」というのと変わらないのではないだろうか。全般的に今までの慣習の中で我を通せるだけのパワー(性格的にも、立場的にも)を持っている人の発言であり、自分とは違う状況・環境(時代や出版社の規模など)にある人がいることに対する想像が少し欠けているようにも思える。性格的に言えたとしても、編集者から不興をかってしまって干されてしまったり、契約が切られてしまう危険がある。若き森川氏は環境に恵まれていたのではないだろうか。大会社の大作家という自分の立場はある種特別で、強い立場であるということに無頓着なのでは。

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あと、文章に必要であろう前提の共有がなかったり、主語がなかったり、ロジカルに長文を書こうとしているのに変な抜けがあって誤解を招きやすかったのもあったと思う。また、あとから情報をだすなら、森川氏が個人的に尽力している話も最初からしておくほうがよかったのではないかと思うし。

こうして考えていくと、本人に悪気はないのだが自分の権威性と役職から生まれる責任に無自覚なきらいがある、少しデリカシーがない、ずれた話をしがちで話が長くなる、変に圧が強く自己主張の強い中高年男性というあまり近場にいて欲しくない人物像を多くの人に想起させてしまったのが炎上を大きくした原因のような気がする。

X上でのコミュニケーションが下手なのが炎上をたびたび起こさせる原因の一つなのではないか。そもそも、理事としての立場を考えれば、ただでさえ誤解を招きやすいツールであるX上であんな風な形で発言するのはあまり得策ではないと思う。状況を調べてから、時間をかけて文章を精査し、noteなどの別媒体で発信したほうが無用な炎上から逃れられていいのではないだろうか。

本人もやりたいわけではなさそうだし、理事という立場にほんと向いてないと思う。そこは、なんか気の毒でもある。

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