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椎名林檎とノンポリとサブカルと:ロマン優光連載354

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354回 椎名林檎とノンポリとサブカルと

椎名林檎の「RISING SUN ROCK FESTIVAL 2025 in EZO」でのライブの様子がフジテレビの『めざましテレビ』や『ノンストップ!』で放送され、ファンが旭日旗を思わせるミニフラッグを振っている様子が物議をかもしている。

本来は縁起物であり、慶事の際に使われたり、めでたさやの景気良さの漫画的表現として使われてきた旭日旗。明治維新で官軍の軍旗として採用されて以降、旧日本陸軍の軍旗や旧海軍の軍艦旗として用いられたきたため、大日本帝国の軍国主義を想起させるとして否定的にとらえる人もいる。

旭日旗のデザインを意匠としたものは朝日新聞の社旗やあけぼの缶詰をはじめ存在し、横尾忠則がモチーフとしてあつかったりもしているが、それぞれをその文脈で判断するものであり、個人的には旭日旗を思わすデザイン=軍国主義の支持というふうには受け取っていない。

今回のケースはファンが旭日旗を思わせるミニフラッグを振っている様子が、大日本帝国時代の元首・為政者や軍隊を迎える民衆、兵士の出征を見送る民衆を直接的に想起させる情景であったため、批判する人が出てくるのは普通ではないかと思う。

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また、以前にNHKのサッカー放送のテーマ音楽として2014年に椎名が提供した「NIPPON」という曲の歌詞が特攻隊賛美や純血主義を思わせるものであったり、その年のライブのステージ上に日の丸を掲げたりしたこともある。

振られていたミニフラッグは椎名林檎のオリジナルグッズで、旭日旗そのものではないがそれを非常に意識したデザイン。ただ、現在販売されているものではなく、2008年と「NIPPON」発売の年である2014年に販売されていたものだろう(それぞれデザインは違うがぱっと見は旭日旗に見える)。24年度のミニフラッグをみると、放射線状ぽいギザギザの円の中央に円形に近いリンゴが配置されたものが灰色地にピンクで描かれており、旭日旗のデザインのイメージを残しつつ、そこからできるだけ離れようとしているものだ。現在、旭日旗的なイメージを強く打ち出そうとはしていないことがうかがえる。

以前から旭日旗風のミニフラッグは批判されていた。2023年にはヘルプマークそっくりのグッズが批判を受け発売中止になったこともあり、グッズに対する批判をさけたいという意向があったのかもしれない。

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