度重なる給料の遅配に選手は徐々に辞めていき、1997年には2度目の不渡りを出して銀行取引停止処分を受けるも借金返済のために女子プロレスの興行を続行。会社は潰れているのに試合は普通にやっていてテレビ中継(『格闘女神ATHENA』)まで放送されていたのもすごい。なかなか潰れずしぶとさを見せたのだが、2005年には主催興行を停止。狂った団体、全日本女子プロレスはひっそりとその最期を迎えたのだった。
プロレスだけをやっていれば、今頃まだ団体としては残っていたかも知れない。だが、山っ気ビンビンのわけのわからないサイドビジネスに入れあげて破綻してこそ全女。並のプロレス団体ではまったくなく怪しさ満点だったからこそ、これだけ多くの人に愛され、今も記憶の縁にこびりついて剥がれないでいるのだろう。
文/掟ポルシェ
画像/Netflixシリーズ『極悪女王』
初出/『実話BUNKAタブー』2025年1月号