2019年5月、維新の会から参議院選挙に出馬予定だった長谷川氏が2月におこなった講演会の動画がネットに出回り、その中で被差別部落の住人が犯罪集団であったという内容のことを発言したとして炎上。謝罪文を出し、立候補を辞退。謝罪文は維新の馬場伸幸幹事長(当時)が作ってくれたものだとブログに記している。
その後の6月10日のブログで長谷川氏は〝断言してない、悪質な切り取りである〟と反論。「差別は許されないことです」「誤解しないでくださいね、被差別者の方々が犯罪をしていたって話なわけじゃあないですよ」という主張もしていた。反論のために、自身で動画(問題となった講演とは別の回のもの。本人によると「毎回ほぼ同じ内容で話しており」ということだ)をあげていたが、その中で実際に、
そのエタとか非人って人たちは普通に結婚することも引っ越しをすることも許されず・・・
でもね、そういう人たちにしてみても、当然のことながら遊びたいですし友だちとも学びたいですし言ってしまうと性欲なんかもあるかもしれない
そういうような人たちがひょっとしたら、一部、山賊になっていったり野党となって、そういう犯罪集団になっていったのかもしれないですよね
(長谷川氏自身の公式YouTubeの字幕から。「野党」は「夜盗」の誤字だと思われる)
と発言している。「ひょっとしたら」は言い訳にならないだろう。また、「許してはおけない差別の歴史」という発言も確かに別の個所で確認できるが、たとえ別の個所でそういうことを言っていたとしても、この内容は差別でしかないわけで言い訳にならない。また、問題の発言の後、
そういう被差別対象にあった人たちだけが犯罪集団というわけではもちろんなくて、言うまでもなく、士農工商すべての身分制度において犯罪者ってのはいたとは思いますけど、江戸時代ってのは皆さんが思っているよりも、少し治安が良くなかった
という発言をしているのも動画から確認できるが、そもそも、江戸時代の治安の悪さを訴えたいなら、わざわざ被差別階級の話をする必要もない。
また長谷川氏のブログには、〝自分たちの世代は、江戸時代は士農工商の下に被差別階級があったと習っていたが、その歴史認識自体が間違っていたというのが最新の学説であり、自分は知らなかったので、こういう人たちが差別されていたと語ってしまった〟というのが原因のようにとれる記述がある。しかし、士農工商内の身分差に対して見直しはされているが、その下に被差別階級が置かれていたことは事実であるし、間違っている。もし、仮にそれが本当でも、指摘されている問題とはズレているので言い訳として適当すぎるのではないか。