261回 埼玉のトンデモ条例で話題となった埼玉県議・田村琢実とは?
10日、埼玉県の虐待禁止条例の改正案が自民党埼玉県議団によって撤回された。
多くの人によって非難されているように、小学校三年生以下の子供だけで登下校、留守番(兄弟の中に高校生がいても)、公園で遊ぶなどさせることが虐待と見なされてしまう、子育ての現実と遊離した非現実的でひどいものだ。大人が自宅に常時いることが基本的にできるような家庭でも虐待とされている全ての行為に当てはまらずにいるのは難しいだろうし、ましてや共稼ぎ家庭やシングルマザー・シングルファーザー家庭に対して考慮されているとは、とうてい思えない。あの条例を守れる人がいるとするならば、極々一部の極端に裕福な人だけだ。
罰則がないといっても「虐待者」であると認定される心理的負担も大きいだろう。
行政が学童保育の施設の数を増やしたり、ベビーシッターの普及をはかった上で、誰もが経済的な心配なく利用できるように支援する体制を整えた後にはじめて提案できるようなものでしかなく、順番がおかしい。
住民から猛反発されるのも当たり前だし、今後の選挙のことを考えた自民党本部からも迷惑視されるだろうし、あれは撤回するしかなかったのだろうと思う。
撤回を表明する会見での「言葉足らず」という弁明も誤解されたと言わんばかりだが、そういう話ではないと思う。
改正案本文を読んでも何をもって虐待とするのかはよくわからないが、議会などでの県議団からの説明で想定している虐待の範囲が明らかになり「それはおかしい」と世間の注目が集まったわけで、条例改定の意図がどうのこうのといかう話とは関係ないのだから。