漫画好きの識者の方々に、思い入れのある鬼畜で外道な主人公を挙げてもらった!
PROFILE:
劇画狼(げきがうるふ)
特殊出版レーベル・おおかみ書房代表。プロ作家の単行本未収録作品の書籍化や書評、イベント司会、原画展企画などを行う。
X:@gekigavvolf
播磨灘の敗者への侮辱
「主人公の鬼畜さ外道さがとんでもない」ということで、まずは『ああ播磨灘』から。勝利時にガッツポーズをし、女人を土俵に上げ、協会に無許可でプロレスのリングに上がって外国人レスラーの腕を破壊し、ヤクザと堂々と交際する無法の横綱・播磨灘だが、中でも印象的なのが敗者への侮辱だ。今回はそんな中でもとりわけひどい扱いを受けた若不動・凄ノ尾・白鳳の3人の末路を紹介する。
まずは強制改名組の若不動と凄ノ尾だ。播磨灘に挑み続けるもなかなか勝ち星に恵まれない大関・若不動。己を見つめなおす禅行の中で不動明王そのものになるため「不動王」に改名し、心機一転してリベンジを狙うが播磨灘はこれを一蹴。土俵上で強制的に「お不動」に改名させるという外道行為を行う。凄ノ尾に対してはそれに輪をかけて最悪で、凄ノ尾を張り手一発で失神させ、倒れ込む凄ノ尾に「犬ノ尾とせい!」と、もはや人間ですらない犬扱いでの改名を指示する。雪辱を果たすべく特訓を積んだ次場所でも播磨灘の張り手であっけなく失神。何もいいところを見せられず敗北した凄ノ尾に、播磨灘は「犬ノ尾にも劣る奴。今すぐマゲを切って田舎へ帰れ!」と、一歩的に押しつけた犬ノ尾という不名誉な別称をさらに下回る「犬以下」の烙印を押し、さらに一方的に引退勧告をする鬼畜の所業を見せた。
白鳳に対しては、完膚なきまでに叩き伏せた後で土俵上から観客に向けて「心を入れ替えて頑張ります」「皆さま申し訳ありませんでした」と公開謝罪をさせた上に行事から軍配を奪い取って殴打し、プライドも粉砕する非道っぷり。
播磨灘はこの後、物語終盤で「勝手に大相撲の解散を宣言して播磨灘独立相撲リーグを立ち上げる」という信じられない行動をとるので未読の方は是非ご覧いただきたい。
