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山川純一:サムソン高橋「ハッテン場から愛をこめて」連載5

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第5回 山川純一

一般社会でゲイがオープンであろうとすると、道化、つまり笑いものの役割を担わざるをえないことが多い。芸能界でこれまでオープンリーゲイだった人たちを考えても、道化であったパターンが大半ではなかろうか。

同性愛者は当たり前に存在するが、当たり前の存在ではない。多くの同性愛者はそれを隠して生きているからだ。未だ世間との壁が確実に存在する中、オープンな同性愛者は「笑い」あるいは「シリアス」をその壁の緩衝材として使ってしまう傾向がある。道化と深刻の狭間で、ゲイが「ただの陰茎好きな男でーす」と素直に存在することは、まだまだ難しいのだ。

一般社会でゲイが取り上げられるときも、多くは「笑い」か「シリアス」がセットになっていた。

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例えば『とんねるずのみなさんのおかげです』のキャラクター、保毛尾田保毛男。しかし30年の時を経て特番で彼が復活した際、当の同性愛者から抗議運動が起きて、事実上彼の存在は封印されてしまった。気にせず笑って見ていた私は一抹の寂しさを感じたのだが、同性愛者を笑いものにしていいという雰囲気が、道化を鎧として使うことができないほど弱い者たちを傷つけてしまうことを考えたら、時代の流れとして潮時だったのだろう。

そんなコンプライアンスも熟れ切った2023年秋。『新・やらないか』のタイトルで、『くそみそテクニック』がアニメ化されるというニュースが飛び込んだ。実際には4月1日というとっくの昔に発表されていたのだが、その日時が絶妙なために多くの人に本気と思われてなかったのである。

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