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コブラ、そして俺とサイコガン:ロマン優光連載257

連載
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「二人の軍曹」のような脱出劇。「ラグボール」ほど魅力的な架空のスポーツを俺は知らない。「ロボットはいかが?」のような60年代のそれを彷彿させるようなSF短編。「異次元レース」の流刑星での悪夢のような人々も忘れがたい。「宇宙の大魔王」での愉快な魔法の話。「リターンコブラ」の懐かしい西部劇。クトゥルフ味のある話もあれば、ハードな軍隊アクションもある。全ては彼が夢見た「50、60年代のパルプ雑誌に載っていた小説」から寺沢武一青年(BTはコブラに連載開始時に20代前半。自分のようなバカな子供がファンロードを読んで「魔中年BT(武一・寺沢)」とかいって喜んでいた時も先生は30代になるかならないかだったのだから)が召還してきたものだ。そんな多種多様な物語を縦断するコブラという男の軽やかさと力強さときたら。

個々の話を語りだしたらキリがない。コブラが好きな者どうしでコブラの物語の話をするのは本当に楽しいし、キャラの話をするのも本当に楽しい。クリスタルボーイの話もしたいし「どのダックが一番好きか」とか「どのダックの死にかたがショックだった」とかクレイジーマウス姉弟の話もしたい。だが、キリがないのでこの話はこの辺で。

冒頭に引用したのは、コブラの

「そうかな
不運なめぐりあわせに
しがみついていること自体
不運なのさ

運てものは
力ずくで
自分のほうへ
向かせるものさ」

という台詞の後に続く会話だ。

正直、運不運の話自体はわりとありふれた台詞だと思う。それを受けて「それでも運命に破れ全てが徒労に終わった時にお前はどうするか」と問われた時に、

「 笑って
ごまかすさあ!」

と答えることができるのがコブラの凄味だ。

何者にも屈しない男。

何事も恐れない男。

一番苦しい時に、いとも簡単に軽薄な振る舞いをやってのける男。

破滅が訪れようとする最後の最後の時まで、全てを笑い飛ばすことができる男。

そんな男の凄味があの言葉にはある。

コブラほどカッコつけている男がこの宇宙にいるのだろうか。当然ながらいるわけがないし、カッコつけている様があそこまでカッコいい男も他にいない。

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