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村西とおる×本橋信宏対談 誰よりも早くジャニーズの闇を暴いた2人が語る「ジャニーズや芸能界の性加害から健全な社会を守るために」

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本橋 性加害の噂はあったけれど、確証はなかったし、取材から最初の3日は公ちゃんもそれについて喋らなかった。でも、村西監督が「これから世に出るには裸にならなくちゃダメだ! 全部さらけ出してくれ!」と情熱を持って説得したんですよね。そうしたらジャニーさんとの関係を4日目に一気に喋ってくれました。ジャニー社長とのセックスの話や、幼い小学生が被害を受けた話も。

――そして『光GENJIへ』として、本だけでなく本橋さん監督による映像化もなされ、そこでの北さんの告発映像は、今年になって日の目を見てTBS『報道特集』をはじめ地上波でも流れました。

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本橋 北公次証言のパートはビデオ回しっぱなしでもちろん台本は一切なし。公ちゃんが視線を外さずに話し続ける凄さには鳥肌が立ったし、カメラマンのターザン八木も「歴史的な証言に緊張して、ズームイン、アウトといったカメラ操作ができなかった」と話していて。その迫真の映像が結果的に説得力を増しました。いま被害者たちが告発している内容と通じているからこそ、報道番組でも放送されて反響が大きいんだと思う。35年間も同じことが繰り返されていたのか、と。

村西 『光GENJIへ』の単行本は35万部も売れたけれど、私はそれでビタ一文も貰ってない。公ちゃんにもう一度スポットライトを浴びせたいと、マジシャンにするために、2000万円以上かけて大掛かりなマジック道具やハトなどを買いそろえました。私が公ちゃんをサポートしていた理由は、金儲けでもなんでもなく、彼が受けた性加害に対して「こんなことを許していいのか!」という社会正義ですよ。後に公ちゃんは「村西監督に金のために騙されたんだ」と言っていたと伝えられていますし、亡くなる前のメッセージで「ジャニーさん、メリーさんありがとう」なんて手紙に書いていたようだけれど。

単行本『光GENJIへ』出版の翌年発売された、同名のビデオ作品。映像には、北公次氏がジャニー喜多川からの性被害を告白する姿が収められている(DL販売サイトはこちら)。

本橋 グルーミングです。手なずけられた原体験から自由でいられない。あとフォーリーブスの再結成をするために、楽曲の著作権をジャニーズが持っているから、頭を下げざるを得なかったという事情もあったと思う。

村西 私はそれに対して恨みもないし、人間というのはそういうもの、そういうこともあるだろうと。ただ、ジャニーが公ちゃんにした仕打ちは、決して許されるものではない。私自身も1986年にハワイで捕まった時、勾留先で3人の巨漢の男に組み敷かれましたよ。シャワー室でね、それこそ相撲取りみたいな3人に暴行されたんですよ。私は慟哭しました。一回、無理やり掘られてみなさいよ。この3人を殺してやりたいと思ったし、今でもそう思うぐらい憎い。だから、どうしても今回の性加害が他人事だとは思えないんです。被害者の血の涙の味は私も知っているから。

※本記事は発売中の『実話BUNKA超タブー』11月号掲載記事の一部です。記事の全文は雑誌にてお楽しみください。

取材・構成/小沢余
撮影/武馬怜子

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