会員数も戸田葬儀時点で100万人の大台をやっと超えた程度で、より大きな天理教や立正佼成会が学会の前に立ちはだかっていた。学会がこのような、いち「新興宗教団体」であるにもかかわらず、時の総理や大臣は、こぞって会長の葬儀へ足を向けた。東京都知事も参列した――。であるならば、池田氏の葬儀はどうなるのか? 私人として靖国神社へ赴く政治家は、池田氏の葬儀にしても同じ理屈で通すかもしれない。逆に総理大臣は、却って「政教一致」の批判を浴びる可能性もある。文部科学大臣は、宗教法人を管掌する文化庁を従える立場でもある。現職が弔問に訪れるのも、ハードルが高い。彼らを葬儀に“呼ぶか呼ばないか”、戸田時代とは次元の違う問題がある。
池田氏の現状は、「病院は順天堂。しかし入院はしていない。自宅で過ごしている」。これが私の耳に入ってきた警備関係複数からの情報だ。
この期に及んで、池田家の世襲説を唱えたジャーナリストたちは、ほとんどその旗を下ろした。戸田氏が亡くなった時、学会から攻撃を浴びていた宗教団体は「これで創価学会が分裂する」とほくそ笑んだ。
池田氏は、その手腕で組織をまとめ上げ、政界へ本格的に進出した。政党を作り、学校を建て、世界に組織を拡げた――これは事実である。しかし、その手広い事業をさらに発展させうる池田氏の後継者は、私には思いつかない。
取材・文/山田直樹
写真/ダイサク・イケダ サイトより
初出/『実話BUNKA超タブー』2022年4月号
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