松任谷由実さんは、50周年を記念したアリーナツアー。船のセットの上で「海」をテーマに、1970年代から2000年代までのさまざまな曲が歌われたんだけど(なお、一緒に行った友だちは、「『もう会えなくなった人』への想いを歌った曲も多い」と言っていたわ)、過去の曲を聴いていると、当時のさまざまな感情や想い出(主に恋愛がらみ)が一気によみがえってきて、切ないような、気持ちが若返ったような、何ともいえない不思議な気分になったわ。「アタシの青春時代は間違いなく、ユーミンの曲と共にあったんだな」と、あらためて実感……。
そして、初めて生で観た薬師丸ひろ子さんは、やはり素晴らしかった……。昔から変わらぬ透明感のある歌声、『潮騒のメモリー』や、朝ドラ『エール』で歌われた讃美歌『うるわしの白百合』を含め、聴きたい曲をきっちり全部歌ってくれるセトリ、そして「私のコンサートに初めて来てくださった方に説明します。私は基本、この場所から動きません。みなさんがうとうとして目が覚めても、ここにいます。手拍子や、隣の席の人との握手を求めたりもしません」といった、ほんわかしているけれどもじわじわと面白いトーク、すべてが最高だったわ。
このところの相次ぐ訃報に、「観たいものは観られるときに観て、会いたい人には会えるときに会ったほうがいい」と思い知らされたアタシ。12月は谷村有美さん、森川美穂さん、岩崎良美さん、斉藤由貴さんのライブにも行く予定よ!
<水曜日掲載>
写真/Wikipediaより(撮影/Evelyn-rose)
PROFILE:
エスムラルダ(えすむらるだ)
1972年生まれ。94年よりドラァグクイーンとしての活動を開始し、各種イベント、メディア等に出演。2002年、東京都の『ヘブンアーティスト』ライセンスを取得。脚本家・ライターとしても活躍している。著書に「同性パートナーシップ証明、はじまりました。」(ポット出版、共著)
twitter:@esmralda001