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久田将義という漢、大阪万博がアホすぎる:箕輪厚介「今月これにムカついた」 連載8

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振り返ってみるとあれは、〝久田将義〟という孤高の編集者を意識する原体験だったのかもしれない。

僕が過去に文春に叩かれた時、久田さんが運営するニュースサイト「TABLO」でも、僕のことを批判したり、揶揄する記事がたくさん掲載されて、SNS上で拡散されつつあった。

〈俺は憧れの久田さんからも、めっちゃ叩かれてるのか…〉

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そんなふうに落ち込みながらサイトを覗いて記事にアクセスしてみると、印象が変わった。「TABLO」は広告が多すぎるために記事を最後まで読むのが困難な作りになっているのだ。ページを更新しようとするたびに広告が出てくるから、読者は途中で意欲を削がれてしまう。正直、当事者の僕ですら面倒くさくなって最後まで読まずにやめてしまったほどだから、おそらくほとんどの読者が記事を完読していないのではないだろうか。

読みにくい記事の仕様を知った僕は「箕輪のことはPV稼ぎのためにネタにはするけれど、このくらいにしといてやろう」という、久田さんなりの愛情を感じてしまった。「TABLO」のスローガンは「人に優しいニュースサイト」とのことだが、もしかしたら本当にそうなのかもしれない。少なくともあの時の僕にはそう感じられた。

でもやっぱりトークではなく、いつか本当に久田さんと格闘技の試合をしたいと思っている。高田延彦の引退試合で、田村潔司がかつて付き人を務めていた高田を相手にKO勝ちして、感極まって涙を流していたが、師弟関係ならではのドラマがそこにはあった。僕も久田さんを乗り越えて、〝出版界の伝説〟を継承していければと思う。

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大阪万博がアホすぎる

YouTubeチャンネル『ReHacQ—リハック—』でひろゆきが、大阪万博の問題を追及して、日本維新の会の藤田文武幹事長を完全に論破していた。「大阪万博はどうみても失敗で、続けるのは利権構造そのもの」、「どうやったら成功なのか」といった誰もが抱いてるであろう疑問をぶつけたら、藤田幹事長はしどろもどろ。久々にひろゆきのクリーンヒットを見た気がする。僕自身も、大阪万博のようなハコモノを見るだけのイベントが成功するとは全然思えない。

建設のスケジュールとか予算も問題になっているが、そもそも今はハコモノではなく、体験を共有するコンテンツが人気の時代。世界各国の記念館をわざわざ建設する時点で、発想が古臭すぎる。しかも、これだけ技術が日々進歩している時代に、3年とかの構想期間をかけて建設したら、できた頃には最先端でもなんでもないものになっている可能性の方が高い。

ただ、これだけワクワクしなそうだったら、怖いもの見たさで見に行ってやろうかな。実は最近、特大サイズの太陽の塔を買ってしまった。もしかしたら万博のことがちょっと気になっているのかもしれない。

 

イラスト/中学生・永字八法
初出/実話BUNKAタブー2024年1月号

PROFILE:
箕輪厚介(みのわ・こうすけ)
1985年東京都生まれ、早稲田大学卒。2010年双葉社に入社。広告営業などに携わった後、編集部へ。『たった一人の熱狂』見城徹/『逆転の仕事論』堀江貴文などを手がける。2015年幻冬舎に入社、書籍レーベル「NewsPicksBook」を立ち上げ、編集長に就任。『多動力』堀江貴文、『日本再興戦略』落合陽一、2019年に一番売れたビジネス書『メモの魔力』前田裕二など次々とベストセラーを手がける。自著『死ぬこと以外かすり傷』は14万部を突破。クラウドファンディングにて1000万円を集め、雑誌『サウナランド』創刊。様々なブランドとコラボレーションをおこなったり、各地でサウナランドフェスを開催。2021年のSaunner of the Yearを受賞。

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