PR
PR

春ねむりインタビュー音楽はこの世界とどう向き合うべきなのか

インタビュー
インタビュー社会
PR
PR

春 フェミニズムはジェンダーにおける差別に焦点を当てているけれど、ジェンダー間の格差だけがなくなればいいという思想ではないし、もし自分が社会の構造上において抑圧されていると感じるのであれば、フェミニズムはその人自身が抱えるフラストレーションを建設的に解決する手立てになるはずなんですよ。だから『女性は優遇されてる!』『フェミニストは間違ってる!』とか、お前がそうやってSNSに書き込んでる時間に、ちょっとググればフェミニズムについて噛み砕いた分かりやすい記事が出てくるし、絶対に参考になるはずだと。SNSでフェミニズムを攻撃しようとしてる時間は、意味がない界の中でも最も意味がないと思うし、虚無ですよ、それ、って(笑)。

――穴掘って埋める、みたいな。

春 だから、弱者男性とかインセル的な考えをSNSに書き込んでる人の行動って、「意味のないことをいかにできるか」というパフォーマンスアートなんじゃないかなって(笑)。100年も生きられないのに、とんでもなく無駄なことに時間を使ってるなと、理解に苦しみますね。

PR

――なぜ、そういう行動を現実にとる人がいるんだと思いますか?

春 何か自分が不満に思うことがあったときに、「なぜそれを不満に思うのか」を、真剣に検討したことがないからなのかなと思います。真剣に検討しないから、陰謀論とかミソジニー的な思考回路に何か飛びつくし、そのほうが楽なのかなって。

――「どこかに悪者がいる。自分は悪くない」と考えたほうが楽ですね。

PR

春 社会で生きることは、摩擦が起きるということだから、その摩擦を解消するのに、資本主義だったら――私は「資本主義死ね」と思ってますけど(笑)――「お金」だろうし、別のアプローチでは「暴力」な場合もあると思うんですね。私は暴力的な人間だと自覚してるし、自分のことも傷つけるし、誰かのことも傷つけたいと思ってしまう。それについて「これはヤバいな、これじゃ生きていけないぞ」という意識から、それを消化させるために、私は音楽を始めたんですね。でも、そういう自己分析をしないで、中途半端に暴力性を持って、中途半端な形でそれが発散すると、それがSNSでのフェミニズム叩きだったり、ネットインセルみたいな形になるのかなって。

――春さんは自分について解像度を高める作業ができたけど、それができないと解像度が低いまま、より解像度が粗い陰謀論などのほうに流れていってしまうというのはあるかもしれませんね。

タイトルとURLをコピーしました