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春ねむりインタビュー音楽はこの世界とどう向き合うべきなのか

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ずっと花束みたいな恋してる歌が多すぎる

――アーティストが政治的な発言を避けるのは、アーティスト側からするとなぜだと思いますか?

春 ファンとの関係を考えると、ファンは基本的に「偶像」を求めるし、政治的な発言のような「実存」を感じたくないから、というのはあるんじゃないかな。そこに摩擦を起こしたくないし、だからアーティストもどうでもいい歌を書くようになってしまう……知らんけど(笑)。でも、恋愛ソングって多すぎません?

――個人的には恋愛ソングや恋愛ドラマには「機能」があるとは思うし、好きなものも多いですが、それでもテーマが恋愛ばかり過ぎるなと感じます。

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春 書くなとは言わないけど、多すぎる。「みんな毎日そんな恋愛について考えてるの? 30代になっても40代になっても、ずっと花束みたいな恋してるじゃん!」って(笑)。恋愛より、物価が高いなとかのほうが絶対考えてる時間が多いわけで、その日常を落とし込めよ、と思うんですよね。だから、まやかしの日常を作ってらっしゃる方の曲がチャートを占めるというのは、地獄かもしれない……こういう話をするからアーティストの飲み会とか呼ばれないんだろうな(笑)。

――ハハハ。

春 そういう場で、どうでもいい話ができないんですよね。ネイルしてる時に、ネイリストから「税金が高くてマジむかつきますよね~。もう本当に増税クソメガネって感じですよ」って言われて、「でもこの地域ってすごく自民党が強いですよね」と返したら、「え! そうなんですか!?」と驚かれて。それで「え……選挙行ってる?」「結果見てる?」と返事を瞬時に考えた結果、何も言えなくなるという(笑)。

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――相手を追い詰めたり、事を荒立てたいわけじゃないし。

春 ここで自民党が勝ってるから、それが議席になって結果として税金が高いみたいなことを、みんなあんまり考えないし、それは日常会話としては難しいんだろうなって。でも、「政治家仕事しろって感じですよね~」とフワッと終わらせるのが会話のデフォルトだとしたら、それはかなり苦痛だし、みんなこんな苦痛を耐え忍んで労働やコミュニケーションしてるのか、それは確かに生きるのが辛くなるのかもなと思いますね。

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