大阪万博開幕まであと1年となったが、相変わらず盛り上がる様子はまるでない。元東京都知事で日本維新の会参院幹事長・猪瀬直樹は配信動画やnoteで擁護論を繰り返して失笑を買っていた。
10回:「敗戦」へ突き進む大阪万博
日本維新の会の猪瀬直樹が、《否定からは何も生まれない。大阪万博批判の思想こそ「失われた30年」の元凶なのだ》という愚にもつかない文章を書いていた。逆だ。大阪万博の思想こそ「失われた30年」の元凶である。もっと言えば、計画のミスを認めず、ドツボにハマった日本が戦争に負けたときと同じである。
猪瀬は言う。
「何もしなければ批判されない。しかし何か企画すれば批判され脚を引っ張られる。これが失われた30年に日本を支配した空気である。したがって企業は新製品を開発せず、投資をしない。ひたすらコストを削減して内部留保を溜め込む。後ろ向きの世界ができあがってしまった」
「何もしないよりは、何かしなければいけないのだ。世界は動いている。だから『その場にとどまるためには、全力で走り続けなければならない』(「不思議の国のアリス」)のだ。」
「2005年の愛知万博(冷凍マンモスがあったねえ、笑)は2200万人だったが大阪万博は2800万人が予想されている。インバウンドの時代なのでたぶんそれを上回るに違いない」
無責任極まりない。
万博誘致当初の会場建設費は1250億円とされていたが、現在は倍近くに膨れ上がっている。国民からは中止を求める声が続出。共同通信の世論調査(昨年11月3~5日)では、万博開催について「不要だ」は68.6%、「必要だ」は28.3%。大阪を地盤とする維新の支持層ですら「不要だ」は65.7%、「必要だ」は33.1%である。
維新が出す「経済効果」も信用できるものではない。大言壮語を繰り返し、責任を取らないのがいつもの維新のやり方だ。「都構想」という名の大阪市解体を狙った住民投票を仕掛けた際には、当初年間4000億円の財政効果があると大法螺を吹いていた。
現実から目を背け、妄想だけを膨らませれば、待っているのは「敗戦」だ。