353回 広陵高校野球部のいじめ
異例の大会途中での甲子園出場辞退を決めた広陵高校。昨年起きた野球部員による暴行事件の被害者の保護者が、大会直前の七月下旬にInstagramで暴行事件及びそれに対する野球部指導者側の対応について触れた投稿をしたところ、学校が特定されていき、その内容が8月初頭からX等他のSNSで広がり炎上。被害者はこの事件によって転校を余儀なくされたという。
暴行の内容や指導者側の対応については広陵高校側と被害者側の説明が食い違っている部分があり、事実がどうなのか判断できない部分はあるが、暴行事件があったのは事実であり、警察に被害届が出されている。
SNSでは広陵高校や高野連に対する批判的な投稿が拡がっていき、生徒への誹謗中傷や加害者の実名や顔写真とされるものの拡散などのいきすぎた行為も目に付くようになった。いきすぎた行為に関して被害者側はのぞまないものであると発言している。
さらに別の暴行事件もあったと被害者の保護者と思われる人物の実名告発がFacebookでもあり、この件は第三者委員会を設けて調査中であることが学校側から報告されることに。
その他、真偽不明の広陵高校野球部で起きた過去の暴行についての情報が匿名掲示板などのネット上に色々投稿されている。
結果、出場し1回戦を突破したものの、2回戦以降の出場を辞退。
広陵高校の堀正和校長は辞退後の会見で爆破予告があったことや生徒に対する不審者の付きまといがあったことを報告。暴行事件についての報告よりも、SNSでの誹謗中傷や不適切な情報の拡散から生徒や保護者、職員を守ることを強調したものであったため、さらに批判の声は高まることになった。
広陵高校の出場を知った時に飲酒喫煙でも出場辞退となるものなのに暴行事件が起きているのに出場するのはおかしなことではないかという想いがよぎった。プロ野球選手であれば、こういったことが報道されれば解雇されるようなことである。
はじめに拡散された暴行事件については、学校側から高野連に報告があげられ、加害生徒とされる4人には謹慎処分がかせられていたといい、高野連から厳重注意処分は受けたが出場が認められるという経緯があった。学校側としては既に処分は下されており、出場に問題がないということなのだろう。