PROFILE
音喜多駿(おときた・しゅん)
1983年生まれ。東京都北区出身。早稲田大学政治経済学部政治学科卒。2013年、都議会議員選挙に北区から立候補し初当選。2017年、都議会議員選挙にトップ当選で再選し、「都民ファーストの会東京都議団」初代幹事長に就任するも、のちに離党を表明。2018年、地域政党「あたらしい党」を発足し、代表となる。2019年、日本維新の会公認で参議院選挙東京選挙区に立候補し、初当選。2021年、日本維新の会政務調査会長に就任。
批判にさらされる音喜多駿政調会長を直撃
日本維新の会の音喜多駿政調会長(40)が矢面に立たされている。
3月5日の記者会見で音喜多氏が医療制度改革に関する提言を発表、「世代間の公平性と医療制度の持続可能性の観点から、高齢者の医療費の窓口負担を原則3割にすべきだ」と主張したためだ。
選挙に差し障る可能性から党内でも非難されたり、SNSで非難が相次いだりしている。こうなることはわかっていたのではないか。なのになぜ今回あえてはっきりと高齢者の医療費の窓口負担増を明言したのか。音喜多氏に真意を聞いた。
高齢者医療費無償は70年代の間違ったバラマキ政策
――そもそも何が問題なんでしょうか?
音喜多(以下、音) 医療費負担が年間45兆円以上まで膨れ上がっていてその皺寄せが、現役世代の社会保険からの高額な天引きという形に表れ、彼らを苦しめています。現在の医療制度はもはや持続可能なものではない。そのことに強い危機感を抱いていました。
――現在、社会保険料による負担が重くなってしまったわけですけど、これはいつからのことなんですか?
音 昭和36年(1961年)国民皆保険制度が開始したとき、窓口5割負担で始まっているんですよ。それが調整されて一律3割負担ということで制度が安定して運用されていました。間違いが起きたのが1970年代。「福祉元年」ということで当時の政治家が間違ったバラマキ政策を始めて、「高齢者医療費を無償にします」となってしまったわけですよ。その頃はまだ高齢化率がたった7%で、男性は60代後半ぐらいが平均寿命だった時期ですから、高齢者の医療費を無料にしてもまだ通用しましたし、それなりの財政が保持できたのかもしれません。