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実写版『ブラック・ジャック』みてみた:ロマン優光連載298

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298回 実写版『ブラック・ジャック』みてみた

手塚治虫の名作医療漫画『ブラック・ジャック』が高橋一生主演で24年ぶりにテレビ朝日でテレビドラマ化された。自分はそれなりに手塚治虫ファンなので、なんとなく見てみたのだが、悪くはないし、原作に対する敬意がないとかでもないし、つまらないとかないんだけど、何が変だなと思っていたところ、編集氏から「ブラック・ジャックの実写ドラマが気になる」というメールが来たので、これ幸いと自分の感想を書いてみようと思う。

ちなみに私が最初に見た実写版ブラック・ジャックは加山雄三版『加山雄三のブラック・ジャック』で、「このブラック・ジャックなんか僕が知ってるブラック・ジャックと違う…」と幼心に思ったのを覚えている。ヒカシューの主題歌もなんか怖かったし。

高橋一生のブラック・ジャック。ビジュアル的にはかなりの完成度であり、見た目でなく口調など演技も含めて、原作のイメージの再現にほぼほぼ成功しているといっていいだろう。

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「演技が『 岸辺露伴は動かない』のときの岸辺露伴と同じじゃないか」という声もあるという。しかし、個人的には高橋氏の岸辺露伴に関しては自分の持っている原作の岸辺露伴にそこまで近くないと思ったのだが、高橋氏のブラック・ジャックは自分の持つブラック・ジャックのイメージにかなり近く、演技が似てようが似てまいがどうでもいいのである。

永尾柚乃演ずるピノコもピノコらしく、ピノコ弁を三次元の人間が喋ると非常に痛々しい事故になりがちだが、そういった事態に陥ることなく、出生の哀しさもちゃんと出せる可愛いピノコを演じている。

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主役2人に関しては原作のイメージに近いと評判がいい。さらに、現在読むことができる『ブラック・ジャック』240話から様々なエピソードをピックアップして精査し、そこから何本かのプロットをつくった上でさらに選ばれたのが今回のシナリオであるという話を見たりすると原作に迫るような大傑作の期待をしてしまいそうになるが、実際のところはそういうわけでもないのがドラマ化の妙というものである。

ドクター・キリコが男性から女性に

ここからはさらに細かい自分の感想を書いていくのだが、ネタバレもあるし、自分以外の人にとってはどうでもいいであろうことが大量に含まれているので、読まれるかたはその点を了解の上で読んでほしい。原作では誰それが演じていたとか手塚作品のスターシステムを知らないとよくわからない文章や原作のサブタイトルとかその話の断片的な内容がよく出てくるが特に説明しないので自分で調べてほしい。めんどくさいので。

まず、スポーツカーで事故るドラ息子。あれは原作ではロックが演じていた役なのだが、役者さんにロックほどの美青年感がなく「あんなのロックでない!」と思ってしまった。

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