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実写版『ブラック・ジャック』みてみた:ロマン優光連載298

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『獅子面病』からは病気、『ふたりの黒い医者』からはキリコのシーンとドラマのラスト、『おばあちゃん』からはブラック・ジャックの名台詞「それをききたかった」、『落とし物』からは平凡なサラリーマンの夫が妻の手術を大金でブラック・ジャックに依頼するプロットと夫が手術代を落としてしまった夫が自分の肉体を担保(どこでも臓器移植に提供する)にブラック・ジャックに手術を懇願するシーンが引用されている。話はちゃんとしているが原作の台詞が流れと関係なく引用されているように感じてしまった。

また引用元では『獅子面病』は父子愛、『ふたりの黒い医者』では母子の愛、『おばあちゃん』は母子愛、『落としもの』では夫婦愛・親子愛と、家族愛が物語に据えられているのだが、この夫妻は家族愛というより恋愛という感じ。原作の『ブラック・ジャック』でも恋愛要素のある話は複数存在する。ブラック・ジャック自身の恋愛エピソードは数多くあるし、第7話『海賊の腕』のような少年少女の話もあるが、これらの話で描かれる恋愛と夫妻の出してくるものとは異質な感じがした。まあ、ようするにあまり手塚っぽく感じなかったということだ。

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しかし、手塚っぽくないからといって、別に夫妻のエピソードがひどい話かといえば明夫さんが怖いだけでそういうわけでもなく、よく出来ているし、面白くないわけではない。

そういえば、富野由悠季監督の『海のトリトン』は手塚っぽく全然ないけれど、下手したら原作より面白い作品(ひどい改変作品でもある)だった。

本当にどうでもいいことなのだが 、山内圭哉演ずるギャラリー「アセチレンランプ」店主は店名からいってアセチレン・ランプがモチーフなのだが、私にはハムエッグに見えてしまい、変な気持ちに。写真だけ見た時、ほんとにハムエッグが出るのだと思っていた。

他にもランプというよりハムエッグに見える人はいないのだろうか? そして、なぜ私がハムエッグに見えてしまった理由を解析できる人はいないのだろうか? 本当に気になる。

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しかし、一番気になるのは琵琶丸である。あれじゃ、全然琵琶丸じゃあないじゃないか。いや、ミュージシャンってなに。まあ、琵琶法師というのは音楽を演奏しているわけだが、何か違う。あの役まわりだったら、竹原ピストル本人役で出ればいいのでは。あれを見て「やったー! 竹原ピストルだー!」という人はいても、「やったー! 琵琶丸だー!」みたいな人はいないだろう。どこも琵琶丸じゃないし。

「盲目の琵琶法師で鍼灸医」という琵琶丸の設定は現代を舞台とする現代のドラマに登場させるのは難しいのは理解できる。しかし、それだったら名前だけ出したりしなくてもいいのに。原作ファンへのサービスにもなっていないのでは。

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