一応、各説には科学的な根拠や統計データといった裏付け、出典などが書かれているようだが、資料やデータの読みとり方、取り扱いについて問題視する研究者の声が多数確認できる。「黒人女性は科学的にも他の人種と比べて魅力的ではない」という彼の説。Website「Add Health」で行われた5段階でその人が魅力的であるかどうか読者に質問するという研究をもとに、他の人種の女性の平均得点が3.7だったのに対し、黒人女性の得点は平均3.5点だったことを分析。人類としての期限が古いため突然変異体を多く持っている可能性があり、男性ホルモンであるテストステロンを多く持っているため肉体的に他の人種より魅力的でないと考えられると仮説をたてた。
前からトンデモ
元になっているデータの質、不適切な統計の読みとり方が多くの研究者から批判されたし、当然ながら内容が差別的であると抗議をうけ、カナザワ氏は謝罪することになった。
統計の読みとりの問題はさておいても、素人が見ても突然変異体やテストステロンうんぬんは彼の憶測、想像で、科学的な証明とはほど遠く、結論から逆算された根拠のないこじつけだ。これで抗議されなければ、そのほうが不思議である。
彼の説やそれに対する批判を色々見ていると、彼自身の志向が先にあって、それにあうような資料を見つけてきて根拠としているのではないかと思わざるを得ない。仮説の上に仮説を組み上げるような根拠の乏しい、こじつけめいた主張が彼には多くみられる。