PR
PR

「このバトル漫画がとんでもない」ロマン優光のTOP3

エンタメ
エンタメマンガ
PR
PR

闘将!! 拉麺男』(ゆでたまご)は、ある意味究極のバトル漫画だ。とってつけたようなストーリー。申し訳程度の大義名分。奇抜な技とバトルの勝敗だけがそこにあり、登場人物の内面は必要とされず、人間としての成長など無関係で、意味が喪失したバトルという概念だけが羅列されている。バトル漫画の骨格だけで作られた不可思議な作品だ。

バトル漫画の華といえば戦闘狂(バトルマニア)の存在。戦闘中に「てへ、楽しくなってきたぜ!」などと気恥ずかしくなるようなことを言ってくれる彼らの存在こそがバトル漫画の本質である。

『ジャンプ+』でインディーズ連載中の『刃ノ眼』(松登)は空間に「刃」を作り出す能力者で戦闘狂の少女・夜桐彩羽が死闘を求めて戦い続ける物語。各人の特殊能力も、彩羽のルーツをはじめとする物語の舞台設定も、登場人物のキャラ付けやネーミングも中学生の時に夢見たカッコよさだけで成り立っており、その疾走感が気持ちよい快作である。

PR

バトルシーンがあるからといってバトル漫画ではない。しかし、困ったことに、そのバトルシーンが凡百のバトル漫画を上回り、作品のテーマを超え、そのシーン自体が一編のバトル漫画として成立してしまうものがある。

そういったものの究極の形の一つが『大甲子園』(水島新司)における山田太郎と中西球道の対決である。そこにいたるまでの物語といった些末なものが全て消え去り、水島新司の野球愛すら超えて2人の超人の純化された戦いだけが映し出されている。

「このバトル漫画がとんでもない」劇画狼のTOP3
「このバトル漫画がとんでもない」DATゾイドのTOP3
「このバトル漫画がとんでもない」植地毅のTOP3
「このバトル漫画がとんでもない」白正男のTOP3
「この漫画の最終回がとんでもない」吉田豪のTOP3
「この漫画の最終回がとんでもない」ロマン優光のTOP5
「この漫画の最終回がとんでもない」根本敬のTOP3

文/ロマン優光
画像/『闘将!! 拉麺男』1巻(ゆでたまご/集英社)
初出/『実話BUNKA超タブー』2024年11月号

タイトルとURLをコピーしました