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54本目・『大怪獣ガメラ』:杉作J太郎のDVDレンタル屋の棚に残したい100本の映画…連載94

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アニメとか見ていたらわかるだろう。登場人物の髪の毛の色とかで見分けやすい。声優さんの声というのもある。区別がつきやすい。だが原作の漫画は基本白黒である。コミックスになればまだいいが連載時、出版社によっては漫画週刊誌の印刷が薄くて見ていて悲しくなることがある。悲しくなるとともに見分けもつきにくいので読んでて気持ちが遊離していくときがある。最近はあまりないのかもしれない。20年ぐらい前、何百万部突破、みたいな、売れに売れていた大部数雑誌にそういうことがよくあった。

ま、別にだからどうしたと言いたいわけではありません。たくさん本が売れるのはいいことなのですから。『あーしはDJ』(イースト・プレス刊、杉作J太郎著作)もよろしくお願いいたします。ちなみに印刷は薄くないし字の大きさも鈴木成一さんがしっかり考えてブックデザインしてくれましたのでたいへん読みやすいですよ。

ま、なんにせよ今回で映画『大獣怪ガメラ』がなんで3回目になってしまっているかといえぱ一目瞭然、関係している話かもしれないが本題から書いてる内容がそれすぎているからである。

ただ全然関係ないことを書いているわけではない。

レストランでカツ丼の注文が来て、厨房でもカツ丼を作ろうとしたのだがなんかの気まぐれでお刺身定食を出してしまった、ということではない。カツ丼を出そうとはしているのである。

世の中は難しい。

思ったようにはならない。

恋愛なんかとくにそうだ。

気持ちが伝わるのも難しければ受け入れてもらえるのはもっと難しい。

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いま大相撲九州場所が開催中だがこれも勝つのは難しい。相手も勝とうとしているのだ。いくらイメージして作戦を立てても相手も考えている。思ったようにはならない。負けるときには負ける。十両に下がった白熊が初日から勝星なしの四連敗(11月14日、取組前)しているのが心配だ。どこか悪いのだろうか。

世の中は難しいのだ。

その難しさから逃げてはいけない。見苦しくてもいいじゃないか。ごまかしたり逃げたりしないほうがいい。次回につづく。

『大怪獣ガメラ』(1965年・大映)
出演/船越英二、山下洵一郎、姿美千子、霧立はるみ、内田喜郎、北原義郎、藤山浩二、三夏伸、浜村純、吉田義夫、左卜全
企画/斉藤米二郎
脚本/高橋二三
撮影/宗川信夫
特殊撮影/築地米三郎
録音/渡辺利一
照明/伊藤幸夫
美術/井上章
音楽/山内正
監督/湯浅憲明

※10月4日、杉作さんの新刊『あーしはDJ』(イーストプレス)が発売されました!

<隔週金曜日掲載>
画像/『大怪獣ガメラ』、wikipediaより(パブリックドメイン)

PROFILE:
杉作J太郎(すぎさく・じぇいたろう)
漫画家。愛媛県松山市出身。自身が局長を務める(男の墓場改め)狼の墓場プロダクション発行のメルマガ、現代芸術マガジンは週2回更新中。著書に『応答せよ巨大ロボット、ジェノバ』『杉作J太郎が考えたこと』など。
twitter:@OTOKONOHAKABA

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