なりふりかまわないといえばなりふりかまってないわけで、ゴジラがそんなギャグのようなことをしたのか。そこには当時吹き荒れていたアバンギャルド、サイケデリック、ナンセンスの嵐がゴジラにも及んでいたのだと私は思う。なんだっていいじゃないか、はちゃめちゃにやってやろうじゃないか、みんなの思ったようになってたまるか、新しい世界はいままでみたいな堅苦しいお上品な世界じゃないんだ、みたいな。
いや、それと。
そしてそれと。
やはり空を自由に飛ぶガメラに対する対抗心、焦りもあったのではないか。
ガメラの飛行術は斬新である。
亀は頭や手、足が甲羅の下に隠れる、引っ込んでいく。みなさんもご存じであろう。ガメラも亀さん同様、頭、手、足が引っ込む。
その引っ込んだ箇所からなんと火が噴き出るのだ!