54本目・『大怪獣ガメラ』
今年の11月、ゴジラが誕生70周年を迎えた。
70周年を記念して上映や放送やグッズ展開など盛り上がってる。
で、ガメラが来年60周年である。
ちなみに私はゴジラシリーズには出演しているので(ちゃんとしたオファーがあって台本にも名前が刷り込まれて出た)ゴジラファミリーと言えないこともない。もちろんゴジラは好きだ。出てくる怪獣も好きだ。だがガメラも好きだ。映画会社的にはライバルだしなんかあくまでも私の主観だがゴジラに大きく差をつけられてるようだ。
私が子供の頃はそんなでもなかった。ガメラも人気あった。プラモデルもあったし敵の怪獣のプラモデルもあった。漫画も載ってた。チャンピオンに載ってた気がする。
ゴジラもガメラも人気があった。
それがいつの頃からかなんか差が付いてきた。
なんかガメラが不遇な感じになった。
最大の理由は製作していた映画会社、大映が母さん、じゃなくて父さん、いや、倒産してしまったことだ。
一時は完全に倒産したのだが映画製作に情熱を燃やした徳間書店の徳間康快さんが大映映画を復活させた。現在は角川グループの映画会社である。名前は角川大映。かつて大映映画を製作していたスタジオは現在も同じ場所にある。角川大映スタジオである。
一方、ゴジラの製作会社は東宝。倒産の気配もなければ噂もない。東宝マーク同様、現在も映画産業のメインシーンで光り輝いている。
ま、私個人的にいえば週刊平凡パンチと週刊プレイボーイみたいなものかもしれない。
私は二十代の後半を銀座の週刊平凡パンチ編集部ですごした。週刊平凡パンチは私が28才の頃、廃刊した。出版の世界だけでなく誰でも知ってる超ポピュラーな週刊誌だったので廃刊はもったいないといえばもったいない。雑誌を創刊してあそこまで名を売るにはどれぐらいの労力と経費が必要だろう。廃刊したくてしたわけではない。突然の事故で廃刊したわけでもない。
なんとなく、なんとなく。
なんか。なんか、じわーっと。
これはなんか、どうなんだろう、という。
もしかしたらなくなるかもしれないなという雰囲気が漂っていた。
ガメラ、及び大映映画にそれがあったとは言いにくいが。なんか、やっぱりあったよね。