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54本目・『大怪獣ガメラ』:杉作J太郎のDVDレンタル屋の棚に残したい100本の映画…連載96

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そしてその火力はジェットエンジンのように強力であり、巨体が宙に浮く。そして糸で吊るす円盤花火のようにぐるぐると回転しはじめ、ついには天高く飛行を開始するのだ。それぞれの穴(頭や手、足が引っ込んだところが穴になっている)の火力を調節することによって高低、左右、スピードをコントロールしているのであろう。違うかもしれない。思念エネルギーに寄るドライブテクニックかもしれないし甲羅のどこか、からだのどこかにフラップのような板状が存在するのかもしれない。時には頭、手は出した状態、両足二か所の穴から出るジェット炎だけで飛行するときもある。おかしな話だがカッコいい。

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で、この第一作『大怪獣ガメラ』で、初めて人間たちが見つめる前で飛行を開始したときはさかさまになって飛んだ。甲羅を下に、腹部を上に、ひっくり返った状態で飛んだ。そりゆえガメラは甲羅を下にして飛ぶと思っている人も多い。が、それにはそのときだけの事情があったのである。長くなった。以下、次号。

『大怪獣ガメラ』(1965年・大映)
出演/船越英二、山下洵一郎、姿美千子、霧立はるみ、内田喜郎、北原義郎、藤山浩二、三夏伸、浜村純、吉田義夫、左卜全
企画/斉藤米二郎
脚本/高橋二三
撮影/宗川信夫
特殊撮影/築地米三郎
録音/渡辺利一
照明/伊藤幸夫
美術/井上章
音楽/山内正
監督/湯浅憲明

※10月4日、杉作さんの新刊『あーしはDJ』(イーストプレス)が発売されました!

<隔週金曜日掲載>
画像/『大怪獣ガメラ』、wikipediaより(パブリックドメイン)

PROFILE:
杉作J太郎(すぎさく・じぇいたろう)
漫画家。愛媛県松山市出身。自身が局長を務める(男の墓場改め)狼の墓場プロダクション発行のメルマガ、現代芸術マガジンは週2回更新中。著書に『応答せよ巨大ロボット、ジェノバ』『杉作J太郎が考えたこと』など。
twitter:@OTOKONOHAKABA

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