PR
PR

57本目・『酒中日記』:杉作J太郎のDVDレンタル屋の棚に残したい100本の映画…連載100

連載
連載
PR
PR
PR
PR

57本目・『酒中日記』

坪内祐三さんはお酒が好きだった。
お酒そのものというより酒を飲むシチュエイション、酒のある情景を好んでいたのだろう。
この映画はそんな坪内さんのお酒を飲む姿をたくさん見ることができる。
お酒のある情景で、人々とふれあうことが大好きだったんだなあとDVDを見るたびに思う。(※現在、数社で配信サービスもされているようです。)
この世に生まれてきて、好きな人たちとふれあうことは喜びである。漢字を変えて悦び(よろこび)としてもいい。
私もこの映画に出ている。
坪内さんといっしょにお酒を飲んだことはもちろんあるが、この映画の撮影時、私はほとんど飲んでない。(※この映画は基本的にドキュメントです。)
亀和田武さんと私がその日の出演者。坪内さんはもちろんいますよ。主演なので。
PR
私はその日、この撮影のあとに仕事があったのです。いわゆるケツカッチンというやつで撮影が終わったあと銀座の駅まで全力疾走したのを覚えています。銀座の文壇バーでの撮影だったのです。映画のなかの坪内さんはそんなケツのある私に対してもたいへん嬉しそうに笑っています。
「飲みにいこうよ」
私が四国松山に居を移したあとも坪内さんからはときどき電話があり、
「いま松山なんですよ」
「そうかー、松山はいいところだよ。松山と言えばなんたって須之内徹だよ。ぼくは好きだなあー」
みたいな会話を何度かしました。松山はすこし前に行った、路面電車にも乗った、と言ってました。
坪内さんと私は東京で近所に住んでいたのです。
お互いに望遠鏡か双眼鏡なら部屋の灯りが見えたはずです。あのマンションだな、というのはお互いにいつも見えていましたので。
フラワー・メグさんと親しくなれたのは100%坪内さんのおかげです。
PR
タイトルとURLをコピーしました