また、SNSに弱い高齢者層には既存メディアにでないとアピールが届かないという分析もあるが、これも現状でどうなっているのかは実のところわからない。現在、高齢者層にYouTubeが浸透しつつあり、SNSを通した若者人気であると言われがちな石丸氏だが、本人が会見で発言していたが、石丸氏の支持者は中年層・高齢者にもネットを通して広がっていっている。高齢者がテレビ・新聞だけを情報源にしている時代は終わりつつあるのではないか。逆に現状ではネットから情報を得るような高齢者は情報に染まりやすい傾向が見られ、その影響で行動に移る人も多い。各種陰謀論の活動に参加する人たちの中に高齢者の割合が徐々に高くなっているのは、それの悪い面のあらわれかたであろう。
既存メディアの情報を何となく見ている高齢者よりも、ネットで積極的に情報を得ている高齢者のほうが投票率は高いだろう。現在、そういう人が実数としてどれくらいいるのかはわからないが、今後はそういう高齢者が増えていくのは間違いないし、「高齢者はネットに弱いからテレビに出てないと知らない」みたいな話はどんどん変わってくるだろう。
よく考えてみると、現在の石丸氏がどれだけの数字を持っているかはよくわからない。
石丸氏からSNSで嘘の内容を投稿され名誉を毀損されたとして、安芸高田市議会議員の山根温子氏が石丸氏と安芸高田市に損害賠償を求めていた訴訟の上告審で市の敗訴が決定した。市長選ポスター代不払いに関する裁判も敗訴していたが、どれだけ影響が出ているのか。
ちなみに石丸氏は裁判の結果に対して、「今回の裁判はどう喝、『議会を敵に回すとあなたの政策通らないよ』という発言があったのか、なかったのか、というようなところに収れんしています。しかし、私が訴えたかったのは、そういう状態が地方議会にある、ということです。私がざっくり4年、安芸高田市長として安芸高田市議会と対峙して分かってきた現実、まさにその言葉の通りだったと自信を持って言えます」とコメントしている。しかし、山根氏が言ってないことを言ったかのように石丸氏が投稿したのか、その影響で山根氏を批難するメールや電話が殺到したのか、山根氏の選挙活動に影響があったかどうかが問題なわけで、そこに収れんするのは当たり前だし、地方議会の実態を訴えたかろうが、本当でないこと(意図的な嘘なのか、独自解釈すぎたのか、思い込みなのかはわからないが)を言って相手を貶めていいわけがないのだから、何を言っているのかよくわからない。
再生の道から出馬する人たちに関しては、これらの裁判の結果や、裁判中の主張やその後の発言に問題を感じない感性の人物、もしくはこれらのことを全く知らない情報収集能力の低い人物ということになり、どちらも政治家としては不安である。