ちなみに、「ムー」2025年6月号ではディープ・ステート陰謀論の真実という特集があって、新型コロナに関する陰謀論やハワイやカルフォルニアで起きた山火事に関する陰謀論を紹介しており、今の社会状況では手放しに面白がれるものではなく、「ムー」が社会の迷惑になるような陰謀論は扱わないというのは単なる俗説ではないかと思う。
最初から距離をもってあやしげな部分を楽しんでいる人や、子供の時は信じていたが年齢と共にそのスタンスに移動する人がいる一方、本気で記事を信じている人もいるのが現実であり、「ムー」を読んでいるうちにオカルト・陰謀論リテラシーが身についたと考えている人もいるだろうが、それはあくまで本人の資質の問題で、みんながそうなるわけではない。そういうリテラシーが身につく人は「ムー」を読んでなくても別の機会に身につくだろうし、いくら「ムー」を読んでも身につかない人は身につかない。そういうものだ。
身についていると思っても特定の陰謀論を陰謀論だと見抜けるだけで、そこから離れたら必ずしも見抜けるわけではない。また、ああいうものは精神的に追い詰められていると、精神状態が良好な時には信じないようなことも信じてしまうもので、自信は禁物である。
参政党の陰謀論・スピリチュアル的部分を批判するポストをRPしながら、極左系のあからさまな陰謀論をRPしているような人もいるわけで、特定の陰謀論を否定する人が別の陰謀論を信じていても不思議ではない。自分が支持しているもの、自分が否定しているものを否定するものには、それが事実かどうか検証せずに飛びついてしまうのは人間の性(サガ)で、意識的に律しようとしなければ、そうなるのはわりと普通なのだから。
「ムー」を子供の頃から読んでようが陰謀論に耐性ができるわけではない。そういうのを身に着けるのには勉強すればいいという意見もあるが、何で勉強するかの問題もあるし、精神的に不安定だったりすると勉強してきたものより、新しい世界に導いてくれそうなものに飛びついてしまう。
そもそも、三上編集長が自分のRPしているものをどれだけ信じているかもわからない。事実でないと知っているが、それが自分の求めているものを成立させるのに役立つと思ってRPしていることだってある。