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米山隆一が問う女子枠は本当に必要か

社会
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もちろん、それまで理工系に行かなかった女子学生が理工系に行くことによって、女子枠がなければ埋もれていた才能が開花する可能性もなくはありませんが、私の持論として「好きこそ最大の才能」で、好きでないのに受験に合格するからという理由で進学して才能が花開く可能性よりは、小学校・中学校・高校の教育で「理工系が好き」な女子学生を増やすほうが、埋もれていた才能を開花させる可能性ははるかに高いように思われます。

チームの男女比が均等に近づくことで、研究開発の生産性が上がるという報告もなされていますが、同時にそれほどでもないという報告もあり、その効果ははっきりしません。私はむしろ、「能力・適性でメンバーを選抜したチームが生産性が高く、そういう選び方をするとメンバー女性比率は自然と上がる(少なくとも人為的に偏った状態にならない)」というのが本質であって、能力・適性よりも、男女比を優先したチーム編成で生産性が上がるわけではないと思います。

そうすると、大学受験の女子枠は①不利の程度は決して大きいとは言えず、②手段の合理性に乏しく、③是正による利益もはっきりしないと言わざるを得ません。私は、これで冒頭に述べた平等原則違反を正当化する合理性は乏しく、順次縮小・撤廃していくべきものだと思います。

このように言うと、「理工系の現場に女性がいないこと自体が、不利な条件だ!」とおっしゃる方がおられるのですが、OECD41カ国中41位とはいえ、理工系女子学生比率は18.1%、物凄く少ないというわけではなく、今や理工系の現場にも、一定数の女性はいます。

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あまり根拠のない感覚的数字で恐縮ですが、確かに比率として10%を割っているとそれは確かに少数派で、それこそトイレの設定から昼食時の友達から、「同性の友達がいない」という理由でその分野に進みたくなくなるということもあろうかと思います。しかし、おおむね20%に達していれば、日本の18.1%だろうがOECD平均の33%だろうが現場の在りようとしては大差なく、上述の通り、平等原則に反してまで、理工系の女子学生比率を上げる合理性は乏しいように思われます。

また、「積年の女性への圧迫に対する当然の補償だ!」という極端な意見をおっしゃる方もおられますが、さすがに明治・大正・昭和時代の女性の人権問題を理由に令和の女子学生の大学受験の女子枠を正当化するのは無理が過ぎると思います。

以上、長文になりましたが、恐らくこのBUNKAタブーを買っている方の99%は男性で、グラビアを飾っている方の99%は女性であるように、それが生得的なものか社会的なものかはさておいて、男女には結構な行動パターンの差があるものです。そこに、例えば「BUNKAタブーグラビア男子枠」「BUNKAタブー購入女子枠」を作ったところで、誰も幸せになりません。

男女平等の理念を持てばこそ、それぞれの違いを認め、本質的な対策・対応をすることが政治の役割だと私は思います。

 

文/米山隆一
画像/Adobe Fireflyにより作成
初出/実話BUNKAタブー2026年11月号

米山隆一

PROFILE:
米山隆一(よねやま・りゅういち)
1967年生まれ。新潟県出身。東京大学医学部卒業。独立行政法人放射線医学総合研究所、ハーバード大学附属マサチューセッツ総合病院研究員、おおかた総合法律事務所代表弁護士などを経て、2016年10月に新潟県知事就任。2021年10月、衆議院議員選挙にて旧新潟5区で初当選。2022年に立憲民主党所属し、2026年1月、中道改革連合に参加し落選。再起を目指して活動中。
Twitter @RyuichiYoneyama

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