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皇室典範改正に見る男性信仰:米山隆一連載19

連載
天皇陛下は皇族数の確保策の議論について、「国民の皆さんの理解が得られるものとなることを望んでおります」と述べた。
連載社会
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皇族が減少傾向にある中、皇位の男系継承を維持するための皇室典範改正案が成立。これにより室町時代まで遡ると現皇室と先祖を同じくする旧宮家の人々が、養子として皇室に入ることができるようになりました。この法案への驚きを米山隆一氏が綴ります。

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第19回:皇室典範改正に見る男性信仰

女性天皇、女系天皇を頑なに否定する人々

旧11宮家の男系男子を養子に迎え、その子が皇位継承資格を有し得ることとなる皇室典範改正案が、この原稿を書いている今日、7月17日に参議院で可決・成立しました。その細かな主張は政治的な発信の場に譲るとして、この議論において、「男系男子優先でも構わないが、一方、女性天皇、女系天皇も許容する」という、かなりアバウトな考え方の私は、「男系男子による皇位継承絶対!」「男系男子でなければ2600年続いた皇統が途絶える!」と強硬に主張する方々に、正直驚きました。

私はそもそも「世襲」という考え方があまり好きではありませんが、とはいえ、世襲が大好きな方々がおられることは否定しませんし、私自身、祖父母、父母から受け継いだものは少なくありません。そういう、「先祖から引き継いだもの」を考えた時、私は祖父、祖母のどちらかと言われたら祖父と似ていたと思うし、一定の影響を受けたと思います。一方、父母のどちらかと言われたら、父には大変恐縮ですが、性格的に母と似ていて、母から引き継いだもののほうが随分と大きいように思います。

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結局のところ、父母双方からそれぞれに遺伝子を受け継ぎ、それぞれと共に暮らしていても、何をどのくらい引き継いだと思うかは人それぞれ、父のほうが大きいと思う人もいれば、母のほうが大きいと思う人もいるというのが、偽らざる実態ではないでしょうか?

ところが「男系男子絶対!」な方々は、ともかく天皇家にとっては、父の血筋が全て、現今上天皇のお孫さんより、遡ること600年、室町時代に共通の男性天皇を先祖に持つものの、現在は40等身程度異なる、率直に言って赤の他人と言って過言でない方々が引き継いだほうが、伝統が継承されるというのですから、驚きます。どんなに言葉と論理を尽くしても、そういう方々には全く響かず「ともかく男系男子!!」とおっしゃられ、結局それは理屈でもなんでもなく、「やっぱり男だ!」という強い思いが根拠となっているのではないかと思います。

現代の日本にマッチした新たな象徴天皇制

私は強固な男女同権論者ですが、流石にこのBUNKAタブーを読んでくださっている方々の大半は男性だと思われることに甘えて申し上げると、男性たるもの何のかんの言って子供の頃から「男なんだから」と言われて育ちます。子供の頃夢中になって読んだ少年ジャンプの漫画や、TVのアニメでも、そこかしこに「男たるもの」という価値観が溢れ、父子相伝の神話がちりばめられています(『HUNTER×HUNTER』も、『MAJOR』も、『北斗の拳』も、主人公は皆、父の影を追いかけています)。恐らく私たちは、無自覚のうちにそういう「男性神話」を刷り込まれているのだと思います(恐らく女性も間接的に)。

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