街中に存在する見慣れないデザインのベンチや、モダンアート。これらの多くはホームレスを排除する目的で作られたものだ。都内に点在する「排除アート」を集めた。
街を歩いているとやたらお洒落なベンチや、空きスペースに置かれた不自然なオブジェを目にすることはないだろうか。
実はこれ、「排除アート」と呼ばれるもの。ホームレスの居場所を奪う目的で設計・配置されたものなのだ。
ベンチの中央には仕切りを設けて横になれないようにし、屋根の下にはモニュメントを作り雨風を凌げないようにする。2020年の東京五輪開催が決定して以降、都心ではホームレス排除の必要が生じ、こうした巧妙かつ陰湿な手法で迫害行為を行っていたというわけだ。
厚生労働省の調査によると、2023年の全国路上生活者数は3448人。
ピーク時2007年の1万8000人と比べて大幅に減っているように思えるが、それはこうした排除アートで目に見える場所から消しているため。いま、ホームレスの23%は河川敷に身を隠している。
新宿エリア
新宿南口前に置かれたベンチ。不自然な仕切りが多数あるデザインだ。
まるで寝心地の悪さを追求したかのようだ。夏は熱くなり冬は冷たくなる。
1人掛けの椅子を飛び石に配置。バスタ新宿は排除アートのメッカだ。
こちらもバスタ新宿のベンチ。木材のぬくもりどころか、である。