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ほんとに災害時のデマは勘弁してほしい:ロマン優光連載273

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273回 ほんとに災害時のデマは勘弁してほしい

元旦におきた令和6年能登半島地震。今年の年明けがこのような事態になるなんて誰もが想像すらしてなかっただろう。被災者のことを考えると、何を言っていいのか本当にわからなくなる。被災地域には親戚も知人もいる土地もあるし、心配で情報を求めてテレビをつけっぱなしにしていたのだが、気づくと体がガチガチに固まり、息が苦しくなるような重圧感をおぼえていた。聞いているだけでツラい。

こんな時にすらSNSで悪質なデマを飛ばしている人たちがいて、ただでさえ陰鬱な気分に追い討ちをかけられるかのようだ。こんな時くらい黙っとけよと思うが、こんな時ほどチャンスだと思っている人もいるのだろう。

デマといっても不安からくる自然発生的なデマもあれば、なんらかの意図があって流されるデマもある。

この数日、X(旧Twitter)上でよく見かけたのは「県外ナンバーのハイエース」の話で、これは不安からくる疑心暗鬼から自然発生的に生まれたものだろう。 X(旧Twitter)で拡散されるより前にInstagramのストーリー、LINE、TikTok などで情報が広がっていたようだ 。

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「県外ナンバーのハイエースが窃盗をしたり、女性を車に連れ込んだり、高い値段で商品を無理矢理売りつけたりしている」という情報がいくつかのナンバープレートの番号付きで出回っていたが、ナンバーが晒されていたものに関しては、親族を訪れていた人だったり、復旧作業に訪れた会社のもので全く無関係だったし、これらの番号の車はたまたま「ハイエースにのった犯罪者が徘徊している」という噂が流れている地域を走っていたため、犯人の疑いをかけられてしまったわけだが、そもそも「具体的にどのような犯罪が」「いつ」「どこで」という情報がまったくないものだった。

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