またハイエースという車種自体がこういった犯罪に関わる噂に登場しがちな車種である。単なる噂が伝言ゲームのように人を経由していくうちに具体的な「犯人」を名指しするようになる。 間違っていたら、無実の人が何らかの危険な目にあっていた可能性があり、福田村事件を思い出してしまった。しかも情報の内容が否定されて以降も、それを知らないまま間違った情報を拡散している人もいて、デマは一度広がったら完全に消し去るのは難しいと改めて実感する。
意図的に流されるデマで目立つものとしては、外国人が被災地で略奪や暴行をはたらく系のデマと人工地震のデマがある。外国人に対する敵意を持って、意図的に外国人に対する敵意を煽る狙いのもの。そして陰謀論に人を引き込もうという狙いのものだ。
人々の不安につけこみ悪意を植え付けようとしたり、陰謀論に引き込もうとするのは本当に悪質だ。 以前の災害時に聞いたデマを信じて、こういうことがあると注意喚起のつもりで善意でやっている人もいるだろうが、そういう人は冷静になってソースを確認してほしい。
外国人デマ(「県外ナンバーのハイエース」系のデマに排外主義を意図的に混入させたものであり、明確な悪意がそこにある)に関しては、そもそもそういった事件が過去の災害時に多発したという報告がなされた事実もない。関東大震災の時のように、そういうデマがはびこり人々の命が奪われる結果を招いた事実はあるが。
災害に便乗して犯罪行為をする人間は確実に存在するが、それが外国人に限られている時点でおかしな話だ。本当に人を殺してしまいかねない悪質かつ危険なデマであり、ほんと何を考えているのだろう。まあ、こういうデマをわざと流す人間はデマの影響で外国人が死んでも別に気にしないのだろうし、なんなら外国人が討伐されたと喜ぶかもしれず、言っても仕様がないのだろうけれど。
一方、人工地震の話をデマと知りつつ意図的に流している人間は人工地震の話題で人の注目を集め、それに付随する陰謀論に引きずりこもうとしている。