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44本目・『青春の甘き香り』:杉作J太郎のDVDレンタル屋の棚に残したい100本の映画…連載74

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毎晩見たわけではない。

とばしとばしで見た。

ほとんど覚えていない。

はっきり覚えているのがひとつある。

『青春の甘き香り』というドラマだ。

貧しい村野武範がお金持ちの結城しのぶと恋をしていたのではなかったか。杉本美樹がそこに絡んでくる。関戸純は村野武範のともだちだったように思うがいいやつだったろうか。先日他界した鈴木瑞穂は結城しのぶの父親で恋愛に反対だった。堅物の抵抗勢力を演じた時の鈴木瑞穂は強力だ。

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ま、もっと複雑な物語だったかもしれない。あまり覚えてないのだ。

だがこのドラマは俺にとってたいへん大きな、大好きなドラマなのだ。

というのも、主題歌が好きだったのだ。

荒木一郎の歌う『まわり舞台の上で』。

甘く、せつなく、絶望的な歌詞(荒木一郎作詞)。甘い、ひたすらに甘い、絶望の沼に沈むようなメロディ(荒木一郎作曲)。疲れ果てたような、いやそれでいて安定感のある、寝起きのような、脱力感溢れる自由気ままな超魅力的な荒木一郎の歌唱。

歌の背景のタイトルバックはピエロが踊ったり眠ったりする感傷的な油絵。

よかったー。

好きでしたねー。

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20代、俺は銀座で朝までよく麻雀をしていたが麻雀しながら口ずさむ歌が何曲かあった。そのひとつが『まわり舞台の上で』だった。

この曲、シングルレコードが出たのだがテレビ放映されていたものと若干違う。アレンジと演奏が若干違う。昔、よくあったんだね、こういうことは。

この作品はたぶんビデオになってない。

現在、配信時代が到来しているが配信もされていない。

見てみたい。

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