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大森靖子の騒動:ロマン優光連載193【2021年08月20日記事の再掲載】

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2014年の青森時代のフェス『夏の魔物』での「私の旦那とやったアイドルが今日いる」発言。Twitterにその情報が流れてきたときに「この人は本当に自分のことだけなんだろうな」と思ったのを思い出す。そんなことを言えば、当日出演してた複数のアイドルに対して好奇の目が向くのは必然だし、当事者が特定されたら色々と揶揄されたり叩かれたりもするだろう。だいたい、それが事実であったとしても、そこに当事者が責められるべき非があったかどうかもわからないし、たとえそれがあったとしても、ああいう場であのような形で発言するのはオーバーキルでしかない。

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彼女はケレン味ある自己演出にすぐれたアーティストであり、あの発言が感情まかせのものだったのか、計算されたものだったのかは他人には本当のところはわからない。どっちにしろ言えるのは、自分が興味のないものや嫌いなもの、「大森靖子」でないものには何をやってもいいという判断をしてしまう人だということだ。彼女が大好きなアイドルがそういう目にあっても何も思わないのだろうか? そうではないだろう。それでも「大森靖子」でないものには、それが平気でできてしまうのが大森靖子という人なのだと思う。まあ、多かれ少なかれ、人間誰しもそういう部分はあるものだし、そう考えると大森靖子という人は色々な意味で自分に正直な人なのだなあと思う。

今回の騒動の元になった音源を聴いた時に「あ、うちの母だ」と思ってしまったわけなのだが、経験から考えるに、あれは本当に相手の尊厳を破壊するような怒り方だと思う。

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ただ、彼女自身がああいう部分を是としてるわけではないだろうし、自分でも苦しいのだろうという気がする。そういった部分があるからこそ、今回は和解できたのだろう。ただ、同じことが起こる可能性は高いし、やがて破綻がくるのではないかと、多くの人が感じているし、私もそう感じている。そして、それを回避するためには大森氏が変わるしかないのだろうが、それが大変な道のりであるだろうとも。親子、恋人、友人、仲間、どんなに相手を愛していようが、結局は他人なのだ。自分の思うようにいつもいてくれるわけではないし、それぞれに対して適切な距離感がある。

ただ、そういう感覚を自然に身につけられるような環境で育たなかった人間に対して、他人との自然な距離感を身につけろと言っても簡単な話ではない。結局、この原稿を含めて外部の他人が何を言ったところで、本人たちにとって何の意味もなさないだろうし、どんな結果であれ、本人たちしか選ぶことはできない。

そういえば、彼女に何かトラブルがある度に、配偶者であるピエール中野氏が彼女を守るとTwitterに書き込むわけだが、あれらのツイートは外野から見ると彼女を守るために何の役にもたってないし、逆効果のようにも思える。ただ、あれは信仰告白みたいなもので、大森靖子に伝えるためだけにツイートしているのではないかという風に最近考えている。

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