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ジャンボタニシ農法と参政党:ロマン優光連載281

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わかりやすい例をあげてみよう。小麦は戦後GHQによって持ち込まれたもので食べるとガンになると主張している幹部がいる一方で国産の小麦は安全だとするパン屋を営む候補が出馬するし、現在の代表・神谷氏は明らかに外国産小麦を使っているピザを食べている様子をSNSにあげてしまう。

色々とおかしなことだらけだが、ここまで変でも疑問に思わない人が支持できるのが参政党なのだなと思う。

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自分の主張を世に伝えたいだけの人が多く、他のことはあまり目に入らない。そういう人は批判の内容を確認して検証したりすることもできないだろう。参政党のいう「日本」とは実際の歴史を踏まえたものではなく、自分がそう思いたい「尊い日本」のようなフィクショナルなものでしかなかったり、環境保護といっても実際の自然・生態系を踏まえたものではなく、オーガニック信仰みたいなものの延長線上にあるフィクショナルなものでしかないのではないだろうか。事実よりも、個人の「真実」が大切なのだ。だから、事実を指摘されても自分が間違っているとは思わないし、重松氏のように雑にアンチ認定して無視したり怒ったりするだけなのだと思う。

「ジャンボタニシ農法」の件だけではない。より科学的な根拠のないスピリチュアルな主張、荒唐無稽な陰謀論(小麦は毒・昆虫食陰謀論等々)が参政党に属している人間(かって属していた人間も含む)によって多数発信されている。そんな政党が国会に議席があり、それを選んだ人がいるということは不安でしかない。政治的思想の右とか左以前の話ところではない、もっと大変な話だ。N国系の人間によく絡まれているが両方とも同じくらい困った人たちだと思う。

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この原稿を書いている段階では、この件について参政党からは何も見解が示されていない。本来だったら党として何らかの見解をしめし、重松氏に何らかの処分を下さなければならないのではないかと思うが、こういう党だし、そもそも重松発言が叩かれているのが党として迷惑でも、重松氏の主張自体に問題を感じたりはしない疑いはある。立憲民主党の原口一博氏が陰謀論を撒き散らしているのに党が見解を示さず、何の処分されないことには大きな疑問を感じているが、仮に重松氏が処分されなくても「参政党だからな…」と思ってしまうだろう自分がいる。それは別にいいという話ではなくて、言っても無理だろうという気持ちだが。だからこそ、参政党自体が問題あるという話である。

しかし、参政党のことを考えるたび、ラーメン屋を営む元・格闘家の小路晃氏が参政党から出馬したことを思い出し、なんとも言えない気持ちになり、こんな想い出は早く忘れたいと思うのである。

 

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PROFILE:
ロマン優光(ろまんゆうこう)
ロマンポルシェ。のディレイ担当。「プンクボイ」名義で、ハードコア活動も行っており、『蠅の王、ソドムの市、その他全て』(Less Than TV)が絶賛発売中。代表的な著書として、『嘘みたいな本当の話はだいたい嘘』『90年代サブカルの呪い』(コアマガジン刊)『音楽家残酷物語』(ひよこ書房刊)などがある。
twitter:@punkuboizz

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