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『花束みたいな恋をした』を見て:ロマン優光連載200【2021年11月26日記事の再掲載】

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200回 『花束みたいな恋をした』を見て

『花束みたいな恋をした』はとても面白い映画だ。観ていて最後までダレることもなく、ずっと麦くんと絹ちゃんの二人に引き付けられ、二人の行く末から目が話せない。

主役の二人である麦くん役の菅田将暉氏と絹ちゃん役の有村架純氏の演技(麦くんの凡庸でイケてない大学生→キラキラした恋人→病んだ社畜という同一人物による時間による変化を見事に演じた菅田氏の演技はすばらしいと思う)がいい。実際のところ、あんなに容姿端麗な人があんなに平凡な若者なわけはないのだけど、本当にそういう人に見えてくる。あと、オダギリジョーの登場シーンがラスボス登場みたいな強者感があってすごくいい。出てきただけで物語が動く予兆に溢れている。スターである主役二人が平凡な若者になりきってオーラを消しているのと相まって、めちゃくちゃ不穏なオーラが出まくっていた。

自分が柄にもなくジャンルとしては恋愛映画に属するであろう『花束みたいな恋をした』を観ることになったのは、ミステリー作家の円居挽先生がこの映画にやたらとこだわっていたのがきっかけである。

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円居先生とは作家の江波光則先生、豆みつおさんたちと一緒に『純喫茶 彼岸花』という配信イベントをやっている。円居先生の好きな作品というのは癖の強い極端な作品が多いわけなのだけど、そんな円居先生が映画公開以来ずっと『花束』の話をしてくる。そうなると「なぜ、あの円居先生が人気の恋愛映画を?」と、こちらも気になってくるわけで、ついに先日イベントメンバー全員が実見したわけだが、ほんとに面白かった。その後ツイキャスで三時間ぐらいみんなで感想を喋りあったのだけど、その前に打ち合わせと称して二時間くらい『花束』の話をしていたし、終わった後も反省会と称して二時間ぐらい話をしていた。次の日にさらにもう一度見た。それぐらい魅力的な作品だ。

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